講談社学術文庫<br> 平家後抄〈下〉落日後の平家

講談社学術文庫
平家後抄〈下〉落日後の平家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061594357
  • NDC分類 288.3
  • Cコード C0121

内容説明

厳しい平家狩りの目をくぐり抜けてきた人びとにも、安穏の日はなかなか訪れない。しかし、勝者源氏は十四世紀に到り亡びてしまう。平家の末流は、宗家、西洞院家、四条家などに繋り、以後の歴史の折々に大きな影響を与え続けてきた。詳細な資料調査と実地踏査によって明らかにされる『平家物語』その後。

目次

第6章 鎮魂の歌
第7章 時の流れ
第8章 おどろの路
第9章 暗雲
第10章 源平の黄昏
終章 恩怨無常

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

185
建礼門院が座右に置いたろう「平家公達草紙」には、かつての平家の栄耀に対する温かい眼差しがあるという。そうした懐旧の情のみならず、平家の影響は壇ノ浦後にもかなり根強く残っていたことが判る。平知忠や藤原景清など平家残党の悲劇がある一方で、清盛の甥忠快のように鎌倉武士からも敬われて一族鎮魂の旅を続けた僧もいれば、平教子のように順徳天皇の祖母として栄える者、また藤原忠経のように大臣になる者もいたらしい。若い順徳の周りには、平家の子孫や、鎌倉を怨み平家を讃える人々が集まって、何やら不穏な空気を醸し出していたようだ。2023/03/12

Toska

16
上巻に引き続き、「その後の平家」の女性たちによる活動が多数紹介される。教盛の孫娘が順徳帝を生み、知盛の未亡人が後高倉院の乳母となった事例などはほんの一部にすぎない。壇ノ浦から生還した建礼門院も、都に残った姉妹とその婚家の支えを受け、後半生は意外に寂しくなかった可能性がある。ジェンダーという言葉こそ使われていないものの、男性視点とは異なる歴史の豊穣性を鋭く見通した先駆的な著作と思う。平家一門で僧籍に入った人々の活躍も興味深い。2025/01/23

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