内容説明
現代は大きな歴史的転換期にある。定かには見通しえぬ未来へと進む私たちにとって、歴史とは何か?そして私たちは、いかに歴史と関わり、いかに歴史の中を生きるべきか?マルクス、ウェーバー、ディルタイ、ヤスパース等々、近現代の主要な歴史哲学をたどりつつあるべき歴史意識を問い直す。
目次
歴史の問題点
ベルンハイムの見解の検討
現在の立場に立脚する歴史
レーヴィットの見解
ヘーゲルの歴史観
マルクスの唯物史観
ウェーバーの社会主義批判
ウェーバーとマルクス
ディルタイと新カント学派
歴史における普遍と特殊的個別〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フリウリ
7
「戦争と平和」でのトルストイの長々しい歴史学批判を読み、哲学的にはどうなのか、渡邊二郎氏ならなんと言うかと思って読みました。トルストイは歴史事象を歴史学ではなく芸術的に捉える旨を標榜していましたが、本書に即すとトルストイの方法は、ヴィンデルバントの「直観的な形態把握」に近く、また芸術創作の特徴でもある未来志向(未来から見る歴史)から、ハイデガー的な要素もあるのだろうと思いました。歴史を語る際の素材と方法の循環については、やはりハイデガーをもって結論づけられています。読み応えのある社会哲学書です。92024/07/22
Ex libris 毒餃子
4
10年前くらいに就活していたとき、企業から交通費として渡されたお金で八重洲地下街の古本屋で購入した本(その企業には落ちた)。歴史哲学として長らく、キリスト教的時間観が優位に働いていてマルクスまでその影響化にあることがわかった。新カント派にいたり、それを打破する歴史観が登場するのは19世紀の文化的科学的繚乱を経過したためでしょうか。2018/02/26
児玉
0
特に、唯物論についてと、その批判点を知ることが出来て良かった2014/08/23
えもももも
0
(笑)2018/10/22