内容説明
日本人の西欧文化受容に重要な役割を演じたフランシスコ・ザビエル。一五四九年に来日すると、旺盛な行動力で布教に邁進した。その間、スペインのイエズス会や友人宛に手紙を書き送る。いわく、日本人は知識に飢えている。神の存在に興味を示し説教に真剣に聞き入っている。いわく、日本はキリスト教伝道にふさわしい国だ…。書簡から、ザビエルの心情とその目に映った日本人像を読みとる好著。
目次
第1部 想像・印象・思い出(日本に上陸する前のこと;日本の話(アンジロウ)
日本にいたときのこと
日本に去ってからのこと)
第2部 ザビエルの手紙について(日本人の気質;日本の宗教;ザビエルの教え;霊魂の救いと滅びの問題について;ザビエルの偉大さ)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とうゆ
10
ザビエルの日本人の見方は偏りすぎていて、この本から当時の日本人の一般的な思想や生活をしることは難しいだろう。しかし「私たちはまるで偶像崇拝の対象のようになってしまった」このような文があったのだが、これは日本人の西洋人に対する態度を最も簡潔に表しているのではないだろうか。2013/12/06
OKKO (o▽n)v 終活中
9
p.60「ザビエルは聖母の絵についてのエピソードを語る」 ゴアから持ち込んだのは同行のパウロ(日本人)。「幼きイエスをひざに抱いた聖母の美しい絵」「インドで手に入れたもの」 ◆もう少し詳しく説明してほしい、ザビエル先生(泣)。これは例の銅版+油彩のアレとは違うのだろうか? だとするとアレを持ち込んだのは誰だっけ? ああ、頭クラクラする2018/04/18
mametoume
6
NHKカルチャーラジオ「欧米から見た日本人の姿」で早稲田大学名誉教授池田雅之さんが紹介されていたので、図書館で借りました。ミルワード先生が北大のクラーク博士を「ザビエルのプロテスタント側の後継者」であり、「少年よ大志を抱け!」は本来「少年よキリストの為に大志を抱け!」なのだと書かれていて目から鱗でした。2022/02/14
いまちゃん
5
キリスト教って、勉強すればするほど悪い意味でわからなくなる。もぐらさんの本の中で「東北地方にキリスト教があまり伝わらなかったのは自分だだけが天国へ行くより、先祖と共に地獄へ行った方が良い」と言ったって載ってたけど同意だな~。全体を通してザビエルにも、ミルワードさんにも傲慢さが見え隠れしていたのが残念。2014/02/06
那由田 忠
5
ザビエルから当時の日本人の宗教観を確認するために読んだ。書簡と一カ所大きく違うところがあって、困っている。それも一番重要なところ。地獄があって亡くなった親や親類の悲しい運命が変えられないとと聞くと、民衆の「悲しみは信じられないほど大きい」「やつれ果ててしまう」とある。祖先供養の重要性が明確な部分。岩波のは「書簡抄」だから省かれているのかな。ミルワードは、1962~65年の第二バチカン公会議でカトリックが仏教の真価を認めたことを紹介し、ザビエルの情熱を認めつつも。当時の偏狭な立場を批判している。2013/04/07
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