内容説明
一九九一年に消滅したソ連は、マルクス・レーニン主義の名の下に、マルクスの思想とはかけ離れた全体主義国家として存在した。著者は、十九世紀のサン=シモン主義に遡り、産業化をめざしつつ前衛党による大衆支配へと変質した社会主義の変遷を跡づける。さらにルカーチからサルトルに至る二十世紀のマルクス主義知識人像の解体の過程をも考察し、社会主義体制崩壊の歴史的意味を問い直した好著。
目次
第1章 社会主義と「知」の支配
第2章 ロシア・インテリゲンツィアの世界―レーニンへ至る道
第3章 知識人問題と社会主義
第4章 新しい階級
第5章 二つの道―戦間期の社会主義と知識人
第6章 知識人の解体、メシアニズムの崩壊
終章 知識人論の現在