内容説明
第二次大戦の見直しで世界的な反響を呼んだ米将軍の注目手記。日本の先制攻撃によって米国の参戦を導こうとしたルーズベルト大統領の画策や、ヨーロッパ戦線の主導権を巡るチャーチル英首相と米軍首脳との確執など、当事者のみが知り得た赤裸々な舞台裏を明らかにする。本巻では、真珠湾攻撃直前にスクープされた米軍の大戦動員計画の全貌から猛将パットンの活躍したシシリー島上陸作戦までを証言。
目次
第二次大戦前奏曲
第二次大戦の開幕
戦争計画漏洩事件
ドイツ留学と戦略研究
勝利の計画
大戦略
宣伝と戦争目的
秘密裏にロンドンへ飛ぶ
米戦略を英国に提示
英国、戦略の常道にそむく〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
32
第二次大戦時、米国参謀として、戦時計画の立案、折衝、実行に携わった幕僚の回顧録。ルーズベルトに帯同しチャーチルとの秘密会議に参加。ドイツへの留学経験を買われ、ナチス隆盛のヨーロッパ方面の作戦計画を担っていたが、地中海、中東、インドを経てアジア方面へ。とにかく、佞知かつ勝手な、チャーチルとイギリスのやり方が気に入らなく、スターリンに無防備なこと、誑かされ、まだ植民地の様に使役するイギリスに、まんざらでもない自国の中枢の人間たちにも辟易している。こっちは気をぬくと交友関係の余談に花が咲くアメリカ人ぽさに辟易。2018/07/04
金吾
23
○第二次世界大戦における米英の考え野一端が知ることができ興味深い内容でした。米国の参戦前の数的観点も含めた戦略的思考をみると「ジリ貧よりはどか貧」というレベルの日本が惨敗したのも理解できます。また米英一体化ではないことやチャーチルやマーシャル、英国にたいする著者の個人的評価も面白かったです。2024/10/02
Haruka Fukuhara
12
日露関係史の新書で紹介されていたアメリカ軍の将軍の回顧録。2017/09/07
hdo obata
9
生真面目なドイツ系アメリカ軍人の回想録である。十分な資金、人員、資材を与えられ、大きなプロジェクトを任された大会社のエリートが余裕綽々で仕事をしている・・・。そんな印象を持った。戦時にもかかわらすホテルに泊まり、午後ティーを嗜み、英軍と親善野球も行う。いやはや日本は大変な国と戦争をしたんだなと思う。いや当時だって日本人は、政府、軍、民間人に至るまでそう思っていたと思う。「ジャイアン」を味方につけた「スネ夫」連合軍にいたぶられる孤独な「のび太」。ふとそんなことを連想した。2019/02/14
ソノダケン
1
ドイツ留学経験を買われ、参謀本部・戦争計画部で活躍した名参謀の手記。外交上手のイギリス人は、紛らわしい言葉づかいで同盟国をも煙に巻く。だが交通線保護にこだわるあまり兵力集中はないがしろにされ、アメリカの足を引っぱる。第一次大戦の悪夢から、北部フランスでの戦闘に恐怖をおぼえた面もあった。またチャーチルの好戦性のせいで、ドイツとソ連にとことん殺し合いをさせる、合理的な「漁夫の利」作戦は不可能に。英米がいちばん恐れたのが、日本軍がインドから西方に抜けて、独伊と合流することだったとか、なにからなにまで興味ぶかい。2014/12/29