内容説明
古代ギリシアにあって「哲学」を学問として大成したプラトン。イデア論を基底におくその理想主義哲学は、西欧の哲学思想にはかりしれない影響を及ぼした。荒廃したアテーナイを揺籃に形成されたプラトンの思想は、倫理的徳目、政治、国家、宇宙論等々、広範にわたる。理想的国家・社会の実現を目指しつつ、生涯を研究と教育に捧げたプラトンの思索の真髄を著作の中に読み解いた絶好のプラント入門書。
目次
1 プラトンの生涯(古き所伝;『第七書簡』 ほか)
2 プラトンの思想―いわゆるプラトニズムを中心として(否定;恋 ほか)
3 プラトンの思想と現代(バーネット・テイラー説;イデア論放棄問題 ほか)
4 プラトンの著作(著作概観と解説;抜粋翻訳)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
代理
2
著者の情熱が気持ちいい本。プラトンの否定を、活力を与えるための否定と見るのはおもしろかった。ニーチェのプラトン批判はプラトンの理論を単純化しすぎだと批判。ただ、そのニーチェも『私が道徳を批判することで、道徳はまた魅力的に成った』的なことを書いてたりするので、ニーチェとプラトンはつながってる部分が強いなと思った。プラトンを皮肉屋の爺では無く、荒廃した世界に再び活力を与えるために問いなおす者と描いている。熱い本。2013/04/20
鵜殿篤
0
【要約】近年の研究ではプラトン中期と後期を峻別して、後期にはイデア論を放棄したと主張する意見が強くなってきていますが、著者は大反対です。後期にもイデア論は成立しています。2017/07/21
翰林菩薩
0
中盤から後半はずっと実際の対話篇からの引用です。解説書としてよりはまず作品を読んでもらおうというコンセプトの入門書です。