内容説明
世界をエロス的に経験された秩序と捉える「エロス的世界像」の観点は、ニーチェのプラトニズム批判に始まり、フッサール、ハイデガー、バタイユへと受け継がれた。著者はそこにこそ、実存としての人間存在が生と世界を了解するための原理を見出すことができると説く。古典的哲学や自然科学が合理的に認識しうるとしてきた世界の幻想性を論証、現代哲学に新たなパラダイムを拓く画期的「エロス論」。
目次
序 エロス的体験と世界
認識論的ディスクール
近代的“心身二元論”
エロス論的ディスクール
「死」の不安の意味
原初的エロス
ロマン的世界の成立
「世界」の結晶作用
自我
恋愛
エロティシズム
幻想的身体
幻想的世界
時間について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
4
基本的にはニーチェの言うように価値と意味を世界の認識のうちに取り込み、主体が世界をエロス的に意味づけて、主体自身がそのような価値体系の中で「幻想的身体」を形成して「幻想的世界」に対峙していくという。主体が定義されればまたそのように世界認識の形式も定まるということで時間論なども範疇に入っているがこれはちょっとやりすぎな気もする。が、射程の広い考え方には違いない。記号論などとも相性がよさそうな。2020/11/14
拡がる読書会@大阪
1
現代哲学の「世界の成立」論です。本書ではデカルト以来の心身二元論を批判し、人間が世界を意味づけ、秩序づけるのは、理性ではなく「エロス原理」であると説きます。このエロス原理とは、単なる性愛を指すのではなく、人間が「快/不快」や「美/醜」といった「感じ」を通して、自己の「ありうる可能性(存在可能)」を世界から汲み取り、世界を分節(分類し構造化)する根源的な力動です。 https://note.com/sharebookworld/n/n6ca48492ba692025/12/13
すみ子
1
要素つめこみすぎに感じたのは私だけ? 後半の考察はいらないと思う~ でもなかなかうまくまとまってたような感じ!バタイユを読み返してみようという機運が個人的に高まりました。2012/10/20
なかたつ
0
簡潔に言うならば、ニーチェ哲学の援用。主客二元論として、人は真理に到達できないという古代哲学からコギトを重んじる近代哲学の流れがある。しかし、主でも客でもなく、それらが相互に作用しあう、言わば「関係の哲学」としてキルケゴールやニーチェの考えを元に、エロス=欲望として、人は真理ではなく、物を「価値」や「意味」として捉える。最後の「時間論」はエロスと関係ないながらも、一番面白く、時間が「もの」ではなく、「こと」であるとした木村敏の考察が参考になった。2013/08/14
べっちゃん
0
またヒットです。竹田先生とは相性がいいのかな。自分の経験をうまく整理できる契機となってる。最後のところ、「かくありつつある」⇒「かくありうる」という可能性としての力強い生き方が今日求められているものでしょう。2010/12/28




