講談社学術文庫<br> 日本憲法思想史

講談社学術文庫
日本憲法思想史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061592568
  • NDC分類 323.12
  • Cコード C0132

内容説明

本書は、法思想における国体論をはじめ種積八束・上杉慎吉・美濃部達吉など代表的な憲法学者の法理論を追究し、さらに敗戦史の法哲学から国民主権と天皇制、マッカーサーと戦後民主主義、日本国憲法の正統性問題までを論じた。旧憲法学史研究には、ケルゼン的なイデオロギー批判的手法をとり入れ、新憲法については、戦後民主主義の忠実な擁護のつもりという著者が説く、日本国憲法の思想と歴史。

目次

1 明治憲法の思想(「国体」と「憲政」;穂積八束;上杉慎吉伝;美濃部達吉の法哲学)
2 日本国憲法の思想(敗戦史の法哲学;国民主権と天皇制;二つの憲法と宮沢憲法学;マッカーサーと戦後民主主義;日本国憲法の正統性問題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Haruka Fukuhara

9
東大法出身の法哲学者の手による日本憲法関係の思想を題材にした論文集。この先生は自分とは見解を異にすることが多いものの(人格が違うのだから当然だが)興味関心に関しては似ている部分が多く、自分の頭でしっかりと考察を深めていて尊敬する先達のひとり。憲法思想ということで明治憲法の思想として、国体と憲政、穂積八束、上杉慎吉、美濃部達吉などが取り上げられている。後半の日本国憲法の思想に関しては講義などでも扱われることが多いが、前半の内容は初見のものも多くなかなか興味深かった。2017/05/29

spanasu

2
ケルゼン研究で有名な著者による本。ただ上杉評はいいのだが、最も力の入った論考である美濃部評が難しすぎる。国体が日本の優位性→鎖国体制→尊皇へと変化したという認識、民主主義の教師を自認したマッカーサーらGHQ、といった主張が印象に残っ た。2020/04/29

Sherlock Holmis

1
憲法学の「正統」=美濃部・宮澤、「異端」=穂積・上杉のそれぞれに関する論考が収められているのが面白い。新旧いずれの憲法を語るにしても、その背後には常におどろおどろしいものがひそんでいることを感じられる。まさしく憲法学はしんどい。2014/03/02

denken

1
佐々木惣一(この本には関係ない)が,さも当然のように受け入れていた国体の定義は,穂積八束が定めたものだったのか。上杉慎吉が何かもう,ぶっとんでんな。帝国と主権国家やら,美濃部達吉を楽観論として批判するとか,常識を揺るがされた。あとがきにもあるように,上杉慎吉を知るには絶好の書であるまいか。2010/09/12

bittersweet symphony

0
1996年11月出版。長尾龍一(1938-)さんの6,70年代の文章をまとめたものに96年出版時に追加された総論を加えた憲法思想史評伝的な著作。幕末・明治期に特殊な意味づけを付加されたものとしての「国体」と、敗戦・マッカーサーによる占領体制下での憲法制定の是非を二つの通奏低音とした、その間の憲法思想を体現した穂積八束・上杉慎吉・美濃部達吉の3人の評伝が中心テーマ。表題的には本来なら触り的に語られている宮沢俊義・家永三郎についても上記3人と同じ比重で取り上げたほうがテーマが明確になったかもしれません。2013/01/08

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