出版社内容情報
【内容紹介】
外国で暮らしてみると、感情生活も、事物に対する情感も異なっていることを感じさせられることが多い。著者は、永年のフランス生活の体験に基づき、「シャボン」や「パン」など日常生活の「ことば」の背景にある日本人とは異なるフランス人が持つ文化や民族性の特性を指摘しつつ、フランス語の豊かな情感と、その魅力を興味深く語る。生活文化の観点か説く生きたフランス語を学ぶための必携の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
4
著者の該博な言語学の知識がちりばめられた、しかし肩のこらないエッセイ集。フランス語の単語をひとつずつ取り上げ、その語源や用法をわかりやすく解説。フランスでの実体験に基づくエピソードも示唆的。
サアベドラ
4
フランスの日常的なことば(鉛筆、キャベツ、クリスマス、プールなど)の語源、逸話、雑学を各5ページほどで説明した本。日常語の語彙収集、薀蓄集めに最適。もともとは雑誌に連載されていたコラムだったそうで、ボリュームがとにかくすごい(約90項目500ページ超)ので読んでも読んでもなかなか終わらない。あと、巻末の参考文献は戦前の本ばかり紹介されているのでさすがに役に立たない。本文の内容自体はあまり古さを感じないのですが。2010/04/29
彬
3
フランス語学習者を想定して雑誌に掲載されたものをまとめて文庫化したもの。フランス語をキーワードに筆者が自身の経験やフランスの歴史とまあフランス関係の雑学を披露している。フランス語が踊るものの未学習者でも書かれたのが二、三十年前でも読み物として十分に楽しめた。これが今のフランスだとまた違った話になるのだろうなあ、続編でないかなあとかちらりと思う。フランスだけでなく関連国、特にローマに触れたりもするので、フランス史にも興味を覚えたり。とにかくフランスに好奇心を覚えるのであれば手にとっても損はないかと思います2012/08/09
mochi
2
言語の歴史を筆者の留学経験とともにストーリーを追って紐解いていく。中には慣習が古くて分からない言葉もあったが、全体としてはなかなか面白く読めた。また、単語一語ずつを追っていくので飽きない。フランス語の文章も多く登場し、読解の練習にもなった。2016/01/29