内容説明
民族の記憶もないはるかな昔に生まれ、仏教伝来後も民衆のなかに生き続けてきた信仰の心は、永い時間をかけて「弥勒仏」や「十一面観音」の御姿をうみ出した。仏教にしろ仏画にしろそれ自体はものでしかない。しかしひとたびそれらに向き合えば、太古からの人々の凝縮された想いが今を生きる我々になにかを訴えてくる。飛鳥大和の美しい風景と御仏たちを訪ね、日本人の心のありかを探る巡礼の旅。
目次
1 弥勒の微笑
2 飛鳥人の夢
3 常世の国・黄泉の国
4 浄土曼荼羅
5 死の国の生者
6 竜樹の下に
7 現世の荘厳
8 大和路をゆく
9 室生への道
10 女人高野
11 はつせ・こもりく
12 十一面観音の謎
13 遊行する神々
14 ナタラージャの舞踏