内容説明
火の発見と原子力の発明は人類の歴史にとってどちらが価値があるのか。先史時代に生じた文化の種子はヨーロッパ・アジア・アフリカへと蒔かれ、さまざまな異文化が現代の地球を覆う。著者は豊富な文化人類学の知識をもとに、人類発展の歴史を進化論と異なる視点で捉え直す。各地域の文化の歴史を検証しながら、宇宙空間への進出も犂の発明も同じ位相にならべて文化の意味を考察した画期的世界史。
目次
基礎的な発明
東南アジア文化複合
西南アジアとヨーロッパ
最初期の文明
地中海文化複合
アフリカ
インド
中国
日本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
14
人類の黎明、文明の基盤みたいな話から、すぐに、都市機能の話が出てくる。 都市は基本的なところ何千年も変わってない。 プロレタリアートが発生し、親族共同体とは別のシステムが動き出す場所。 印度、中国、日本についての文章は、とりわけ興味深い。 ヨーロッパ世界とは別の、現役の異文化として、末尾にまとめられている。 労働力として、プロレタリアートが優れた点は、機械や奴隷のように維持管理をしないで済むってことが書いてあり、慄然とする。 2023/06/03
うえ
7
「インドの歴史を研究するものは誰もが、インド人は自身が演じてきた歴史に不可思議にも興味を欠いていたことがそれをわかり難くしたという。世界観はサイクルを繰り返すような幻想と出来事との宇宙であり、時間と場所の正確な詳細を理解するほど興味をもたないのであった…ヒンドゥ教徒の農民はバラモンのために哲学的な思考を与えられ、実際の利益を得んがために規定された儀式に従わさせられた」「インドの文化は極端に発展された地位と役割によって特徴づけられたし、それは最も静的な、最も完全に積み重ねられた文化が、長い間に発展していた」2020/11/06
クロスリバーゴリラ
0
原著は700pを超えるものらしいが、本書は350pほどでダイジェスト版のようになっている。それでも膨大な情報量である。しかし、やや直訳気味な文章で自然な日本語とは思えないところが多いため頭に入りにくい印象を受けた。2019/08/18