講談社学術文庫<br> 鴨長明

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講談社学術文庫
鴨長明

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061591646
  • NDC分類 914.42
  • Cコード C0195

内容説明

隠者文学の代表作といわれる『方丈記』の作者鴨長明は、京都下鴨社社家の次男。自閉的な性格で妻子とも三十代の初めに離別した。詩歌管絃にすぐれ、歌人としても活躍したが、五十歳のとき下鴨社の人事異動に敗れ、大原に移って出家した。晩年の著作『方丈記』『無名抄』『発心集』に彼の独自な生き方を読みとることができる。生涯、心の救済と格闘し続けた数奇者としての長明の一生を縦横に描いた好著。

目次

幼年期
孤児
出発期
異性体験
大火と辻風
都遷り
飢餓と戦乱
歌林苑
三十歳前後
三十代
中原有安
四十代へ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわかみ

2
五味文彦の「鴨長明伝」がやや教科書的だったのに比べると、本書は長明の生い立ちや時代背景を詳述しており、長明をいきいきと描いている。また、歌人としての面だけではなく琵琶の名手としての面もとりあげている。長明の出家(に先立つ出奔)の事由には下鴨神社の河合社の禰宜になれなかったことが挙げられるが、琵琶の秘曲を演奏して咎められたことも影響していよう。長明のナイーブで鬱屈しがちなクセのあるところも取りこぼしていない。長明の自然を友にした隠遁生活は汎神論的な世界観と心情が支えていたとの指摘は意外だが面白い。2022/05/08

2
方丈記の作者、鴨長明の作品から彼の生涯を読み解き、方丈記をより深い所まで読み解こうとするもの。20代から既に家集を纏め、新古今和歌集の編集者を務めるなど、キャリアの最初は歌人としての実力が認められてのことで、現代の「鴨長明=方丈記」から読みとく「現代社会からの逃避」とはややニュアンスが異なったものとなっている。歌集だけではなく、仏教説話集や紀行文も残しており、それが方丈記の悟りから状況報告までの幅の広い作風に繋がっているのではないだろうか。学校の日本史や古文の授業から一歩進んだ古典文学への探求。2011/05/24

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