内容説明
十一世紀のヨーロッパに「都市の空気は自由にする」という合言葉が生まれた。荘園領主の専横に苦しむ農民たちの、華やかな商工業活動による経済的自由への希求が、新たな都市文化を築き上げたのである。近代資本主義社会を生み出す市民意識形成の場となった自由都市成立の契機を、日本の封建社会との比較文化的視角を交えて縦横に分析する。史上に比類なき自由都市の興亡を鮮明に描いた必読の都市論。
目次
序章 封建都市をいかに捉えるか
第1章 古代的商業の衰退
第2章 封建都市の前提
第3章 封建都市の成立
第4章 封建都市の構造変化
終章 封建都市の近代化
感想・レビュー
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うえ
2
封建都市の成立を追う「ミラノで城砦内の人口集中がいちじるしくなったのは十世紀後半以降だった。城砦内の家屋の価格や賃貸料が急激に上昇しだした。賃貸契約には、商人、両替商、手工業者などが盛んに登場する…けれども、市民とも呼ばれるこれらの商工業者は市政のなかで正当な位置づけをもっていなかった。ミラノの場合、市政を法的に牛耳っているのは大司教および上・下級騎士だった。市民と騎士層の対立が激しくなった。一時は武力対決もあったが、1067年に両者の和解が成立…共同で市政にあたることが誓約された。これがコムーネだった」2023/08/17
naftan
2
・三圃制等の農業革命による人口増加・城砦外に住み着いた遍歴商人・オリエントの香料、象牙に対抗するため商人と手工業者による特産品の創出2011/08/29
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- 和書
- 腦病院へまゐります。