内容説明
人間の非合理的、無意識的機能としての感情=情念が、いかに現代社会を動かしているのか。第一編「社会化された情念」では、合理主義文明のなかでなぜファシズムがむき出しの力を振るうのかを考察し、現代人の心の深層をフロイト、ユングの理論で分析。第二編「伝統とナショナリズム」では日本的心情としての天皇制に論及する。論壇第一線での注目すべき労作も収録した中村哲学の原点をなす必読の書。
目次
第1編 社会化された情念
第2編 伝統とナショナリズム
第3編 情念と美と政治をめぐる問題
第4編 批判とドラマにおける情念
第5編 情念・制度・パトスの知