内容説明
十九世紀の思想の流れのなかでミードは、科学が提起した哲学の問題としてベルクソンの生気論及びプラグマティズムと実在論の両者が生まれたことを論じ、自我の問題では、自我は他我との自覚的な相互作用の過程を強調する近代的立場を導入した。更に行動心理学や個人の問題など、あらゆる分野の記述は過程という観点からなされるべきであるとした。西洋近代思想の諸問題を論じたミードの古典的名著。
目次
第12章 産業が科学にとって恩恵となる―目的に奉仕する機械論
第13章 探究的な学問としての近代科学
第14章 科学は哲学に問題を提起する―アンリ・ベルクソンの生気論
第15章 科学は哲学に問題を提起する―実在論とプラグマティズム
第16章 社会の問題―私たちはどのようにして自我となるか
第17章 行動をとおして心をみる―心の研究は科学となりうるか
第18章 十九世紀における個人
付録 十九世紀のフランス哲学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
産業、科学の思想を扱う「ベルクソンの進化の哲学は、世界にかんする科学的なみかたの進化論的な側面を哲学的に表明したもののひとつである…ベルクソンは、知性を非難するのである。彼は、反知性主義であり、世界を反省的にみるみかたはつねに世界をねじまげる、ということをしめそうとした。反省的なみかたは、行為のために世界をねじまげるのであり、反省的なみかたによって毎日の仕事を遂行できても、それは、私たちに世界のあるがままの姿をあたえるものではない…事物そのものの性質は、知覚だけでなく、世界のなかにもみいだされると考えた」2023/12/17
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