内容説明
発句以下長・短句(575・77)を交互に連ねて36句で巻き終える歌仙こそ、蕉風俳諧の核心をなすものである。永年『芭蕉七部集』に親炙し、連句の実作をも重ねてきた著者が、「冬の日」「猿蓑」「炭俵」の世に言う蕉風三変の代表歌仙を素材に、詩心と詩心が切り結ぶドラマの場としての連句の興趣を再現する。絶妙の挨拶・会釈・笑いに充ちたスリリングな知的ゲームの醍醐味を伝える、安東芭蕉学の会心作。
目次
連句作法
恋は歌仙の花
後の月の恋
夕顔の恋余聞
連句の興の起るとき
深川のあじさい
評釈・はつ雪の巻(『冬の日』)
評釈・夏の月の巻(『猿蓑』)