内容説明
度重なる不幸な歴史の故に、ともすれば憎悪と差別の応酬のみが目立つ日本‐韓国・朝鮮関係にも、信頼と尊敬の通い合う友好の時代があった。江戸期260年。徳川将軍の代がわりごとに、都合十二回、朝鮮王朝は総勢500人におよぶ大使節団を派遣し両国の親善を寿いだ。対馬藩儒官雨森芳洲の「誠信外交」に代表される親交の歴史を発掘し、明治以来の差別と排除のイデオロギーに事実をもって反証する。
目次
1 対馬の生きる道
2 百年鄰好の義
3 瀬戸内をゆく朝鮮通信使
4 生糸と銀の道
5 東海道の朝鮮通信使
6 華やかな江戸の交歓
7 誠信外交の破綻