感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
3
B+ 「草木悉く皆物云う」アニミズム世界の形成と分析、そして展望。現代を、全体性の喪失、統一体としてのコスモスを喪失した社会→リアリティーを喪失した社会と捉え、それを超克するために、完結した他者、絶対的他者が必要であると解く。古代社会において、また我々の云うところの「未開」社会において、それは「カミ」が担うものだ。現実をありのままに、それが孕む矛盾をも受け入れるためには、論理のメタモルフォーゼが必要となる。そこに物語が生まれる。読み手をアジる文書や、時に詩的すぎるほどに文学的な理論が癖になる。2012/05/11
おめるた
1
まえがきから一気に引き込まれた。世界を構築することが大切だ、そして構築した世界のなかで知を遊ばせる。自分を解放する知を持つためのベースとして世界のモデルが必要だ。そして著者は一つの世界モデルを提示してみせる。2010/12/18
まにゅけ
0
難しい。 東南アジア諸国のフィールドワークを通して得られた筆者の感覚を書き綴ったものが2章。その後は「カミ」の所在・「カミ」とはなにかを、「カミ」にまつわる文化構造やその原点、対比?で探っている。最後にはアニミズムを推し進める論を展開する。 「カミ」を完全な他者性と捉えると、草木虫魚も「カミ」と言える、ということだと思う。 結局なんだかよくわからなかったが、これは自分の能力不足であろう……。 なんにせよ、人間中心主義から離れようとしている論。2024/12/07