内容説明
噴出する世界の民族問題をどう考えるべきか。東西冷戦後の世界は二十一世紀へむけ国家体制を乗りこえ民族のせめぎあいが強まる。民族・人種・国家の概念さえ判然としないわれわれ日本人は,それらの理解なしには世界に貢献できない。ますます強まる民族の自己主張の本質はなにか。本書は卓越した見識をもつ著者が豊富なフィールドワークから世界を見る目=民族学的視点を開示する刮目の書である。
目次
緒論 民族とはなにか
21世紀の人類像
国際紛争の理解のために
あらたなるバベルの塔の時代
もう一枚の文化地図がみえる
国家と民族と言語
多民族国家の論理
新聞解読のための民族学
日本のなきどころ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
5
30年前の本ですが、民族問題が顕在化、重大化する未来を正しく予言していた点で驚き。米ソ冷戦のタガが外れ、暴走する民族意識。今、絶対に必要な視点。2014/09/15
ハチアカデミー
3
C 主に講演の原稿をまとめた一冊。民族学・文化人類学とは何かがわかりやすく語られる。民族学者の目からみた世界地図は、国境ではなく民族の分布で区切られる。そう見ることで、国境からはわからない民族問題や国家の問題がみえる。グローバル化が進み、世界が均一化すればするほど、各民族の自己主張も強くなり、新しい対立が生まれる。といった指摘が繰り出される。しかし、グローバル化の果ての対立が、キリスト教VSイスラム教という形で現れてしまうとは、流石の梅棹氏も考えていなかった。人類の業は深い。2011/11/09
カネコ
2
◎ 1970年代後半から80年代にかけての講演を元に構成された20年前の本であるが、いまなお曖昧に混用される、民族・国家・人種といった用語の差異を明らかにし、民族問題の根幹をわかりやすく解説。2009/08/22
より
1
★★★2018/04/21
かりん
1
4:ビデオテークで観た講演が含まれていたので目新しさはなかったけど、大切な視点が提示されている。■単なる利害をこえて、感情的対立におちいりやすい。文化はそのなかにうまれそだった個人にとっては所与であり、とりかえがむつかしいものであるが、集団にとっては、それはしばしば可塑的であり、変更可能なものである。民族衣装がファッション化。文化的伝統のほりおこし。これをのりこえる原理はありません。民族、人種、国民。展示の説明は日本語だけ。ドーデー『最後の授業』。その程度の経験で二十一世紀に通用するかどうか疑問です。2011/12/11
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