内容説明
現代社会は人々を画一的な型にはめやすく、外来文化の影響である「甘え人間」「モラトリアム人間」「知的生活」などの言葉が安易に使用されている。長年、精神科医として大勢の患者の治療に専南してきた著者は、年々高まる現代人の不安の要因の1つに、生活文化の過激なまでの変動があることを指摘する。精神医学の観点から日本人の深層意識を究明して、失われつつある日本的知性の復権こそ急務と説く。
目次
第1章 宿命ということ
第2章 現代人の不安
第3章 心の原理をたずねて
第4章 日本的知性の危機
第5章 日本的知性の復権
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
1
「モラトリアム人間の時代」、「知的生活の方法」、「甘えの構造」などに代表される、日本文化・日本人論への批判的な立場から書かれているようだが、私自身はこれらの著書を読んだ経験がないため、著者の主張に対する賛否については保留せざるを得ない。しかし、日本人全体を一つの型にはめて論じるような議論には少なくとも疑いの目を持って臨む姿勢は必要であるという点には賛同できる。 全体的には難解な語彙や言い回しが多く、伝統的な日本人の特性への回帰について真の必要性が理解しにくいという印象は持った。 2011/06/02
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