内容説明
「数学ができる子は頭がいい」のか。それとも「数学などやるやつは頭が少しおかしい」のか。世の中に行き交う七つの「数学迷信」の由来をたずねて、著者は古代ギリシャから現代数学への道筋を辿る。人はなぜ、この抽象的・観念的な思考法を必要としてきたのか。現代の科学・技術文明を生むにいたった数学的思考の本来の在り方を問い直し、歪みの多い数学教育問題の急所に、犀利な切っ先を突きつける。
目次
数学についての七つの迷信
迷信はどうして生まれたか
現代の数学と数学教育
数学教育の遺骸
数学の方法
数学教育の現代化
数学の論理と教育現代化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
20
いちばん感激したところは、「数える」という行為には<1つめ2つめ3つめ…という『時間的』な概念(序数)>と<ひとつ、ふたつ、みっつ…という『空間的』な概念(基数)>の両面がある、と解説されているところ。この週末で読み終えた森毅さんの<講談社学術文庫3部作>はどれも読みごたえがあって、すばらしかった。この本では「数学をやる人間は頭がおかしい」という迷信に対して「平均的にはみんな普通!」と反論したり(「数学についての7つの迷信」)、文章題にはリンゴではなく「タイルを使え!」と、独自の数学教育論を展開。オモロ。2016/02/07
猫丸
12
再読。著者30代の作だそうで、少々語り口が硬いが、所々に挟まれる軽口が面目躍如たるものがある。科学史の勘どころを捉える直観的把握力に優れている人だ。ユークリッドの原論は徹底して定性的であり、計量概念を含まないこと。ルネサンス期を通底する思潮に機械論があり、それは生産関係の変革によってもたらされたのではないかということ。などは、改めて指摘されて思い出した。後半は数学教育改革を語る。初等教育の割合主義批判には首肯できるが、割合を追放することはできないので、乗算の逆演算としての除算を止めるのが至当と思う。 2018/09/19
マーシー
11
古本屋でゲッツ。数学とは教育の一部でしかなく、教育は全ての教科が相互に関連しあって成り立つ全人的なものである。本当にそうだと思った。今の自身の境遇はなかなかチャンスなのかもしれない。そして教育は生活とともにあるということや歴史を知らなければ現在としての物事は見えずらくなることなどなるほどと思うことが多かった。曲解。2017/05/28
あかつや
10
私のような数学ぼんやり層はこの題を見て、なにかそんなものの秘訣とかコツを教えてくれるのかなと虫のよいことを期待していたのだけど、そんなうまい話は転がっていなかったぜ。本の内容に合わせて題を補足するなら、『数学的思考(を身につけるために求められるこれからの数学教育のあり方について)』って感じだろうか。これはタイトル詐欺でいいな?でもまあぼんやりしてて思っても見なかった数学教育の問題点とか指摘されてて、ああそんなこともあるんだなと、参考にはなったよ。ただ元の本の出版が古いから、いまも当てはまるかは知らない。2020/03/06
よるのもち
10
目当てにしていた内容とは少し違って、数学的な思考とは如何なるものかという部分にはあまりスポットが当たっていない。半世紀以上経っても、数学教育の問題点はまるで改善されていないのだな。2019/03/15
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