内容説明
本書は、梅棹忠夫氏の「文明の生態史観」との対質を通路に、人類生態学的知見を勘案しつつ、唯物史観における歴史観を具体化しようと試みた「生態史観と唯物史観」及び、人類生態学の遷移において生産物交換の占める役割と意義を確定せんとした「人類生態学と生産物交換―覚書」の二つの論考からなる。マルクス主義の新地平を継承し、その独自の展開を図る著者は、人類史像の全面的描き換えを捉す。
目次
第1部 生態史観と唯物史観(梅棹生態史観の問題提起;唯物史観と生態論的視角;生態史観の「陰画と陽画」;歴史認識の関心と方法論)
第2部 人類生態系と生産物交換―覚書(生産物交換の広袤;商品財交換の位相)
付論 生態学的価値と社会変革の理念