内容説明
本書は現代の歌壇を代表する105人の詞華集である。晶子・茂吉・白秋をはじめ、現在第一線で活躍する中堅および、新しい短歌の芽を内に孕んだ戦後生まれの若手歌人の作品を精選した。そこには激動する世情の中で、時に華麗に、時に寥寥と、そして深い思索に沈潜しながら己が生の証を丹念に詠いつづける現代歌人の真摯な生きざまがうかがわれる。斬新かつ多くの示唆に富んだ画期的な現代短歌集。
目次
21世紀に献ず
歌人一覧
現代の短歌
1 ~ 1件/全1件
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
33
賢者には賢者の 愚者には愚者の 誤読あり いずれをかしき 水泡のつぶやき / また、暗い歌ばかり選んでしまった。 若い女流歌人の歌が、かなり苦手なことが判明。 昔、俵万智の歌に違和感を感じたのと同じだ。 季節が違い過ぎるのだろう。/ 『鉦(かね)鳴らし信濃の国を行き行かばありしながらの母見るらむか』(窪田空穂)/ 『死に近き母に添寝(そひね)のしんしんと遠田(とほだ)のかはづ天(てん)に聞(きこ)ゆる』(斎藤茂吉)/ 『水かぎろひしづかに立てば依らむものこの世にひとつなしと知るべし』(葛原妙子)/2019/04/23
Bun-ichi Kawamoto
7
高校の国語の先生が久葉尭だったことは最近知った。北原白秋→宮柊二→久葉尭と思うと感慨深い。2014/12/20
yumiha
5
現代といっても、1991年刊。知っている歌、気に入った歌、知らない言葉などにチェックを入れながら読んだ。斉藤史や中条ふみ子など、すでに読んでいた歌集の作家もあったけれど、編者の高野公彦さんの趣味とは合わなかったようで、お気に入りだった歌が少なかった。2013/01/18
Bun-ichi Kawamoto
3
高校の国語の先生が久葉尭だったことは最近知った。北原白秋→宮柊二→久葉尭と思うと感慨深い。2015/01/01
あ
2
明治末期から80年代まで。ほとんどが昭和期の作で、昭和に活動歴のない歌人は省かれている。各歌人の代表的な作はだいたい採られているが、それ以外だと直情的な歌や思弁的な歌が多く選出されていたような気がする。あまり好みに合わないセレクトだったかもしれない。個人的には象徴に富んだ余情妖艶の体を求めており、唯美的なものや退廃的なもの、官能的なものが好きなので、こちらの詞華集は肌に合わなかった。2024/01/21