出版社内容情報
目加田 誠[メカダ マコト]
著・文・その他
内容説明
『詩経』は中国文学の母。『易経』『書経』『礼記』『春秋』と併称される「五経」の一として名高い古典。長らく儒教道徳弘布の経典として読みつがれてきたが、著者は伝来の解釈を牽強附会なものとして退ける。原典の詩句を虚心に誦するとき、そこに立ち出でるのは古代中国民衆の瑞々しい感情生活であり、真摯な祈り、痛切な訴えと諷刺である。感動溢れる古代歌謡としての『詩経』を正当に読み解いた画期的名著。
目次
1 三百篇の本質
2 『詩経』の成立と伝来
3 詩形と修辞
4 いにしえの心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
caramelscratch
4
詩三百篇の美しさを、孔子は魯頌「垌」篇の一句を借りて「思、邪無し」の一言で現わした。詩が人心を陶冶するというのも、一に古代の人の美しい心持が、素直に流れて、読む者の心を動かすからである。後世の人々の、いつか遠くさまよい出て、而も忘れ去ることの出来ぬ心のふるさとが、ここに美しく示されているからではないか。(p239)2014/04/29
紫暗
3
詩経全体の解説を交えながら、詩の一つ一つも紹介されていく感じです。ただし、詩に関してはあまり詳しく説明してもらえなかった感じが残りました。解説そのものもかなり難解な部分があるのと、専門的な話も多々出てくるので、すべて理解するには再読と更なる勉強が必要だと感じました。2013/06/16
鴨の入れ首
2
【年間500冊読破】1991年刊(但し底本は1943年刊)。図書館本です。ちょっと古いかなと思っていましたが、元々は戦中に刊行された本なのですね。最古の中国古典詩集だけあって、古代中国人の素朴な感情が表現されているように思いました。但し、漢詩初心者にはちょっと難しいかも知れず、漢詩中上級者向けでしょうね。読んでて大変勉強になりました。2025/02/16
とっぴぃ
2
詩には、君主が国民に国家統治のあり方を広めるもの、国民が君主の統治のあり方を揶揄・批判するものという機能があったと。現代ではそれがSNSやブログなのかしら。2015/06/01
こずえ
1
四書五経くらい読んどけ(cv 雲孝一郎)
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- 和書
- いつでも中国語 〈2〉