内容説明
『維摩教』は、大乗仏教の根本原理、すなわち煩悩即菩提を最もあざやかにとらえているといわれる。迷いと悟り、理想と現実、善と悪など、全く対立するものを不二と見なし、その不二の法門に入れば、一切の対立を超えた無対立の世界、何ものにも束縛されない自由な境地に入る。在家の信者の維摩居士が主役となって、菩薩や声聞を相手に活殺自在に説法するところが維摩経の不思議な魅力といえよう。
目次
維摩経の真髄
仏国品
方便品
弟子品
菩薩品
問疾品
不思議品
観衆生品
仏道品
入不二法門品
香積仏品
菩薩行品
見阿〓仏品
法供養品
嘱累品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
池田 尊彦
2
幾つか仏教の入門書を読んで何と無く分かって来たような気がしていたが、「維摩経」の予備知識なしに読んだこの著作には、衝撃を受けた。正に魔道に落ちそうな恐怖感や虚しさに襲われずにはおれない。しかし、私にとっては、やっと、山門が遥か先だが鮮明に観えたと確信できた名著だ。2012/09/02
くらぴい
1
在家で、酒食・消費の生活をしながら菩薩行をする維摩居士についての鎌田先生の説教になります。他の類書より分かりやすく文章が読みやすいと思いました。2007/09/13
Anthony
1
維摩が説いたという、初期大乗仏教の経の解説。中心は不二法門、二つの相対立するものにとらわれない自由な境地を目指すべきとの考え。自分だけでなく、皆とともに目指すべきと諭す。 とらわれないためには、こうすべきという解説もされていて、四諦、六波羅密なども解説があり、言葉が入ってこないから、仏語はすぐ忘れてしまうが、ああ、そういう話だったな、なるほどと。改めて執着があるから駄目なんだなと自戒、確かにそうだな。2017/12/31
しょ~や
1
実に新鮮な内容でした。こんなお経もあるのかと感心。2013/12/15