講談社学術文庫<br> フィロビブロン―書物への愛

講談社学術文庫
フィロビブロン―書物への愛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061588967
  • NDC分類 020.4
  • Cコード C0190

内容説明

「書物はマンナを入れた黄金の壷、生命の乳の満ちる乳房…」。“愛書家の聖書”と呼ばれ、中世のベストセーラとなった本書に、ド・ベリーは書物への燃える思いを吐露する。なぜ書物を愛するのか、無知や拝金主義、戦争がいかほどまでに本の敵であるか。14世紀の英国で聖俗の最高位を極めながら、写本の蒐集保存に生涯を捧げた著者が贈る読書家の心得。活写された修道士の生活ぶりが微笑を誘う。

目次

知恵の宝はおもに書物のうちに収められている
書物をどこまで愛すべきか
書物の購買価格
すでに地位を得た聖職者に対する書物の不平
裕福な修道者に対する書物の不平
托鉢修道者に対する書物の不平
戦争に対する書物の不平
書物の収集の機会は多かった〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

6
「書物はひそかに教えてくれる。書物には何一つ恥じずに、安心して無知の貧困をさらけだせる…会いに行って寝ていることはない。質疑に対し身を隠し、こちらのまちがいに声をあげず、無知を笑わない」「スポーツでは、賞品のほうが競技よりも価値があるので人はその方を欲しがるが、知恵をしのぐものは存在しないので、知恵には賞品は与えられない」「世界中で、戦争の悲運により喪失した書物一冊ずつについて嘆き悲しむことは不可能である。しかし…アレクサンドリア戦役中に起きた、あの恐るべき損失については涙をもって語らねばならない」2017/05/18

あんどうれおん

4
14世紀の本好きが書物を熱く推す本。著者は本の収集家でもあったようです。グーテンベルク以前の人ですから、つまり筋金入りの愛書家ということですね。ちょっと憧れる生き方ですが、マネはできません。何百年も説得力を失っていない論考から、なるべく多くのことを学びたいところです。内容には難解な言い回しも散見されます。神学と哲学に通じている方なら、各項をより深く味わえそうな気がしました。ていねいな訳註のおかげで、予備知識がなくても楽しく読み通すことはできる良書です。2022/08/29

沖縄電鉄社長

2
600年以上前の本好きが自らの書物愛を綴った本。2020/01/14

田蛙澄

2
いつの時代も変わらぬ書物への愛を語り、そしてその存続を妨害する戦乱や無知、あるいは汚い手で飲み食いしながら頁をめくり、余白にいらぬ書き込みをして汚し、遊び紙を破り取る輩への憤りに気炎を上げ、書物には金を惜しむべきでない、高すぎるということはないのだからと述べる所はさすがの愛書家と言いたくなる。6世紀も前の作品とは思えないくらい現代的な近しい書痴の声が聞こえる名著。2018/01/15

きゅー

1
原著は14世紀に書かれている。書物への愛とは言っても、文学的な書物ではなく、神学的な書物に対する愛情のこと。当時の様子を覗うことはできるのだが。。。

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