講談社学術文庫<br> 道教百話

講談社学術文庫
道教百話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061588752
  • NDC分類 166
  • Cコード C0114

内容説明

老荘哲学の流れを汲む道教は、昔から中国民衆の生活に密着し、中国の宗教の弱流をなしてきた。本書は、道教の内容を教学、方術、医術、および倫理の各面から検討して、その真の姿を平易な百話にまとめた。同時に、道教の宗派と信仰の現状を概観し、また日本への伝来と影響については、たとえば五月に飾る武者人形の鍾馗や庚申待の行事、貝原益兼の「養生訓」など、古くから日本の民間習俗と深くかかわっていることを興味深く語る。

目次

1 道教とはなにか
2 道教の教学
3 道教の方術
4 道教の医術
5 道教の倫理
6 道教の変遷

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

武井 康則

12
地獄や極楽、五行思想や易、鍾馗等、日本になじみ深い道教関係の話を並べたもの。それによって道教を理解させようという意図。道教とは自然発生的に起こった汎神論的民間信仰であろうし、だから体系立っていない。その世界観は現世的で人間界の序階そのものだし、独特の世界観がない。だから、ギリシャ神話や古事記のような物語を持たない。エピソードは仙人のもので、日本なら修験者、役行者となるか。仏教でも何でも取り込めるものは取り込む。神はいつも我々を見ていて、勧善懲悪、薬を飲めば延命する。シンプルな信仰の物語。2021/08/24

N島

10
道教にまつわる様々な伝説や昔話をカテゴライズし、いまいち捉えにくい道教という宗教を体感的に理解出来るように配慮された道教の入門書。学術書のような難解さはなく、道教に関する四方山話を読み進めるだけで、道教の概要を理解できる造りになっています。日本に伝わった道教文化についても言及されていますが内容は限定的で、そちらを深堀りするならまた別の一冊を手に取る必要があるでしょう。ともあれ仙人、道士、キョンシー等のキーワードに惹かれるものを感じるならば、御一読いただいても決して損はしない一冊です。2019/10/18

仏教のパンセ!

4
面白ろすぎて、マイフェイバリット(荘子、ウパニシャッド、ギーター、ルーミー、その他の仏典など)の中に殿堂入りしました。ハートにグッとくるところも多いです。読んでいてワクワクします。もったいないので毎晩少しずつ読みました。手元に置いて再読したい。友人にも薦めたい。2014/08/06

juunty

2
中国の民衆宗教である道教。その代表的な逸話を集めた一冊。民衆の間に伝わった民間宗教と、仏教の体系化の影響を受けた組織的な宗教の両方の特色を持ち合わせる。単に逸話を紹介するだけでなく、道教の歴史や発達の環境などにも触れており、道教を俯瞰することができる。日本の風習としても根付いているものがあり、街中をあるくだけでも道教の特徴を見つけることができそうだ。2020/11/16

tekesuta

2
本作は中国の古典からさまざまな道教に関する話を集めて、民俗としての道教の素顔をとらえようとしている。読んでいくと、日本の習俗の元になったような話もあり、儒教ならず、こういった民間レベルでの文化の影響を受けていたのだなと思う。 2013/05/15

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