内容説明
本書は、老子の『道徳経』を現代思想の観点から読みなおしたものである。著者は序において「道」(タオ)の思想がヨーロッパ思想にどのように影響してきたかを検討し、東洋思想と西洋思想の根本的相違を論じる。つづいて、『道徳経』の各章にわたって訳しながら、ハイデッガー、西田哲学、ユング心理学をベースに注釈を加えている。中国思想での解釈の枠を越えた、従来の思想のパラダイムを変える“新しい思惟への道”を提示した画期的な書。
目次
道の驚き
矛盾の統一
差別のない知識
無による放下
静穏の心
空の精神的現実
無自己による自己
水のようなもの
自然の道
心の二面性の統一
空のはたらき
感覚からの解放
自己の洞察
形なき形
道にすぐれた人
空虚の熟視
最上の指導者〔ほか〕