講談社学術文庫<br> アメリカの民主政治〈上〉

講談社学術文庫
アメリカの民主政治〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061587786
  • NDC分類 312.53

内容説明

フランスの政治学者トクヴィルは、独立後のアメリカのデモクラシーの実態とその展望、本質を探るため、1831年から32年にかけてアメリカを旅し、政治制度や成文法律を吟味、通観し、また政治的社会の現状を描写した。特に「アメリカでアメリカ以上のものを見た」というトクヴィルは、アメリカ社会の変らないもの、即ちデモクラシーの本質とその限界を見抜いていた。今日の大衆社会論への道を拓いた必読の古典的名著。

目次

第1章 北アメリカの地形
第2章 出発点
第3章 イギリス系アメリカ人の社会状態
第4章 アメリカにおける人民主権の原理
第5章 個々の州における政治
第6章 司法権について
第7章 アメリカ連邦における政治的裁判について
第8章 連邦憲法について

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

7
フランスの貴族階級出身のトクヴィルが使命を受けてアメリカの刑務所制度の調査のために1831年から1832年にかけて全国を旅行し、編まれたのが本書である。執筆の動機を当時のフランスのデモクラシーの混沌とした欠点を、デモクラシーの必然性と本質を説き、それにヨーロッパ諸国の伝統的美点を結合することで明らかにすることにあった。彼はアメリカの民主主義に変わるものと変わらないものを見たという。変わらないもの、すなわちデモクラシーの本質とは「平等化」されていることである。例としてアメリカの憲法が変更可能なことを挙げる。2013/07/15

富士さん

3
再読。食べる心配をしなくてよいから貴族はより客観的に世の中を見ることができる、だから支配にふさわしい階級だという考え方を耳にしますが、著者は数少ないそれが妥当な例かもしれません。自身の出自にもかかわらず、人間が平等になるのは神の摂理だと言い、ひとつの権力で全体を抑え込むと社会は停滞すると言う。基本的には民主主義の擁護者でありながら、民主的な理念が民主的に踏みにじられる民主主義の限界も容赦なく指摘する。これは、旅行者としての自由と、貴族としての自由を持った著者だからこそ出来た、観察ではないかと思います。2018/11/30

sekaisi

3
明治維新は理の適った革命ということがわかりました。2018/04/28

デンプシー

1
3巻まとめて投稿。>非常に面白かった。まず事象に対する彼の観察眼とヴィヴィッドに描写する能力に、そして事象の本質を冷静に捉えて説得的に論理を紡いでいく筆致には、引き込まれ、スリルすらあった。3巻通じて際立っていたのは彼の記述の豊富な引き出しである。政治・経済・社会・宗教・地理的…、多角的観点が議論に厚みを持たせており、読んでいてとても勉強になった。また特に、下巻において展開される平等を軸にした民主政治の特質・弊害・末路は現代においても十分通用する議論であり、彼の慧眼にはただただ驚かされるばかりであった。2022/08/31

まふ

1
フランス貴族の著者が書いたアメリカの政治の仕組みと民主主義の実態、フランス人をはじめとするヨーロッパ人との英国系アメリカ人の思考様式の違いなどの極めて正確な評論である。フランス人だから書けた比較論である。英国人の清教徒が打ち立てた「アメリカ連邦」が北部、南部の違いなどを明確にしつつ13州から24州になっていくまでの成長の記録。アメリカの民主主義は「コンミューン」である市がその基本形であり、郡、州、さらに連邦は上部に行くに従ってその権限が一般的になり、結局はコンミューンの基本権限に依存している、ということ。2003/12/25

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