出版社内容情報
【内容紹介】
『徒然草』の読み方にはいろいろある。それがこの類を絶した随筆の幅であり、懐の深さである。『徒然草』はただ一つのことを切言していると私は思う。「先途なき生」と。人生は有限であり、しかも明日知れぬいのちではないか。ここから兼好の唱導する生き方の極意は、「ただいまの一念」、これである。死までの切迫したこの世の生の時間を、時間そのものとなることによって生き切ろうと、兼好は訴えたのである。(著者「まえがき」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
15
本書は、「徒然草」を理解する一助になればと思い手に取った。「徒然草」を読んでいると、何か深い洞察が埋もれているように感じるが、自身あまりに古文に弱いせいか、漠として掴み得ないもどかしさがあった。著者の「徒然草」理解はまえがきの文章で瞭然である。 “~人生は有限であり、有限であるばかりか、見給え、人生とは明日知れぬいのちの謂ではないか。ここから兼好の唱導する生き方の極意は、「ただいまの一念」これである。”「心身永閑」の境地には程遠いが、本書のおかげで、より「徒然草」を濃厚に味わえるのは間違いないだろう。2016/01/24
翡翠
14
一読ではその深いところまでの理解に至らず。再読を誓う。方丈記から徒然草への繋がりや、時間という論点を中心に展開された内容は唸るほど濃い。そして難しい!2021/12/10
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