出版社内容情報
【内容紹介】
修己治人、すなわち自己を修練してはじめてよく人を治め得る、とする儒教の政治目的を最もよく組織的に論述した経典。修身・斉家・治国・平天下は真の学問の習得を志す者の熟読玩味すべき哲理である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
90
儒教の政治思想の根幹を要領よくまとめた入門書。二宮尊徳の銅像は、この書を読んでいるらしい。内容は古代中国の教育機関としての大学の教育方針。大目標は、明徳(天から与えられた徳を明らかにする事)、新民(徳によって他人を感化する事)、止至善(徹底して善を極める事)の三つ。そのために、自らの身を修め(修身)、家族をまとめ(斉家)、国を治め(治国)、世界を平和にせよ(平天下)、と説く。アメリカの技術系企業で学歴やスキルより、人格が重視されつつある傾向は、本来の「大学」が志向した人物像に立ち返っているようで興味深い。2015/07/15
無重力蜜柑
15
前から漢籍が読みたいと思っていたので一番読みやすそうな『大学』から。底本が大正時代のものらしく注釈や講義からして漢文調で、ところどころ意味が取れないところもある。基本思想は「格物、致知、誠意、正心、修身、斉家、治国、平天下」。つまり「己を修め、天下を治める」というもので非常に分かりやすい。あとはひたすら他の漢籍からの引用でこの八条目+三綱領(明徳、止至善、新民)を論じている。全体的にかなり楽天的な性善説という感じで、「心意を正しくすれば天命を見極められ、君子が正しく振る舞えば臣民も応える」というのが根本。2022/09/23
Gokkey
12
格物致知の本髄。知を修め、物を修め、自身を修め、世を修める。この階層的なステップアップこそが世の中についての理解であり、同時に古代王朝の君主に近づく方法論であったのだろう。時間をおいて、また読んでみたい。2024/05/02
roughfractus02
10
儒教から儒学へと移行する中、巫祝社会での天と王の関係は、天下を治める聖人たるべき王と儒学を学ぶべき初学者に分岐して世俗化するように見える。一方、朱熹が整理した三綱領(明徳・新民・止至善)、八条目(格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下)を学ぶことは、王と臣下の関係をトップダウンの権力構造に留めず、物を知ることから始め天下の道理に至る学の段階を階層間に共有させる教育的な試みとなる。格調高い読み下しや古今の解釈を対照し確定される字義も歴史の深みがある。ただし、通解は訳者の解釈が主で現代語訳ではない。2025/11/29
なおきち
10
儒教の政治思想の根幹を要領よくまとめた書。本書は「礼記」の一篇だったものを後の儒学者が整理分類して今の形となったらしい。この書で述べられている「大学の道」について余りにも果てしないため感想を言葉で表すのは難しい。熟読玩味して身をもって修めたい。2020/05/12




