講談社学術文庫<br> 堤中納言物語 - 全訳注

講談社学術文庫
堤中納言物語 - 全訳注

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061585577
  • NDC分類 913.384

出版社内容情報

【内容紹介】
『堤中納言物語』は、一〇編の物語から成る平安時代の短編物語集である。「このついで」「逢坂越えぬ権中納言」など伝統的なもののあわれの世界を描く一方、毛虫を愛し、顔かたち・行いがなみの姫ならぬ「虫めづる姫君」、美しい姫君ととりちがえて老尼を連れ出す「花桜折る少将」など、皮肉な笑いで人生の断面をとらえている。簡明な構成、強い印象の文章はむしろ近代小説の性格に近く、意匠のこらされた佳品群は中古文学中、異彩を放つ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おMP夫人

8
現代語訳や解説がこまめに挿入されていますので、古典に自信がなくても読めるわかりやすさがあります。ただ、本文が細切れになるのでテンポよく読みたい場合は他の出版社のものが良いかもしれません。成立年代も作者も不明な10篇プラス1の物語には、現代でも通用する普遍性があります。また、どのお話もはっきりとした終わり方をしないのですが、それが結末を自分であれこれ考える楽しさを生んでくれます。ひょっとしたら、当時の人々もそういう楽しみ方をしたのかもしれませんね。『花桜折る中将』『貝合』『はいずみ』が特に好きです。2012/10/10

淡紅

3
古典に慣れるまで感想が持てなかったけれど、1冊読み終わる頃には面白かった!「貝合せ」が可愛らしすぎて、描けないけど漫画にしたくなった。2023/09/04

むむむ

2
短編集であり、気軽にページを繰れるが、途中で心折れ、いったん保留とする。 2023/02/08

ドウ

2
受験生の頃より格段に古文の読解力がなくなっているので主に現代語訳を読んだ。虫めづる姫君とかはいずみとか、有名な話も今まで知らなかった話もどれも面白い。解説も注も丁寧。2015/04/04

fukurou3

2
美貌の平安貴族「堤中納言」が宮廷を舞台に大活躍、という物語ではなかった。毛虫が大好きなお姫様を描く「虫めづる姫君」、意地悪な継母の子と貝合わせをすることになった母のない姫君を若い貴族が助けてあげる「貝合」、金持ちの新しい妻を家に迎え入れるため、今の妻を外へ出したものの、けなげな姿を見て思い返す「はいずみ」など。貴族社会を舞台にちょっと皮肉を利かせた短編集で、題名の由来は不明。2012/06/30

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