講談社学術文庫<br> 雨月物語 〈上〉

講談社学術文庫
雨月物語 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 364p
  • 商品コード 9784061584877
  • NDC分類 913.56

出版社内容情報

【内容紹介】
安永天明期の暗い世相、他人や自分までが怪しく得体の知れぬ異界の妖霊のように見えてくる時代社会の中で、そういう仮象の向う側に人はどこまでその人間的な実体に迫りうるものなのか、を問いつめた怪異小説。当代知識人の知的な苦悩に正面からいどみ、知的な文体を極限まで展開して、そこに人間が人間に出会いうる可能性を探った上田秋成の内的力動を伝える代表作品。古今東西の怪異小説中、秀抜傑出、深い感銘を与える。(全二巻)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

59
「白峯」「菊花の約」「浅茅が宿」「仏法僧」「吉備津の釜」の5篇が、原文が読みやすい長さに区切られ、現代語訳、語文注、考釈がついている。死んだ者もしくは死に近しい者と、現世に強く繋ぎ止められている者との、微妙にかみ合わない会話、行動、が悲しくもあり、不気味でもあり、哀れでもある。崇徳院の死霊と会話する西行から始まって、話は先に進むにつれておぞましさ、不気味さを増していく。考釈はあまりにも専門的だが、そこまで深く考えなくても、人の心の微妙な齟齬が生み出す怪談話として楽しむだけでもいいのではないかと思う。2017/07/06

misui

3
「菊花の契」結末で復讐を遂げるのは覚えがなかったし、「仏法僧」は読み逃していた。解説に癖がある。2020/04/30

ほまれ

2
段落ごとの注は飛ばして読了。かなり癖のある解釈な気がする。たまたま友人宅にあったちくま学芸文庫版の方が、注がわかりやすい上に一冊にまとまっているのでよさそう。2019/12/02

月曜は嫌い

1
短い「原文」と「現代語訳」「語文注」「考釈」でワンセットになっている。「語文注」というのは「語と文の注釈」なのだが、当たり前すぎてどうでもいい解釈やちょっとどうかと思う主観的な解説が多いわりに、言葉自体の解説や歴史的事実への言及があまりない。これはどうしたことかと思って巻頭の凡例を見ると、“従来の注釈書にゆずった”とある。そうか、ゆずったのか。また、「考釈」も、観念的、専門的で、門外漢には一読して何が言いたいかわからないものが少なくない。初読者は相手にしていないようだがどこかバランスを欠いていると思う。2015/09/28

駒場

1
ちょこっと再読。菊花の契は腐女子向けの気がしてならない2012/02/06

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