出版社内容情報
【内容紹介】
ここに描かれたのは、乃木大将の伝記ではない。いわんや戦役史に資料を提供するものでもない。彼の大戦役の折、大将の身近にあり、大将をFather Nogiと呼んだ一米国従軍記者が、難攻不落といわれた二〇三高地を陥れ奉天戦へと転戦する乃木の孤影の中に、武士道精神と優雅な詩情とを併せもった名将の姿を見、自我を没却し、専心、理想の実現に邁進しようとした大将の生涯は、日本人の特質を具体化したものだと説く、香り高い名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
6
「欧米の人々、恐らくは自殺誘発の精神には同情しがたいであらう。しかしこの偉大なる将軍の死を批判せんとせば、我々自らの標準をもつてせず、必ずまづ将軍の宗教と、その祖先の遺風との見地からせねばならぬ。見地かくのごとしとすれば、おのづから将軍の絶対無二の立脚地を認めなければならぬ。」〈かくのごとき人〉2017/09/04
ちょんす
5
乃木は「個人的生活の上衣をかなぐり捨て、全生命を捧げて、世のため国のために奉公の義を全うせんと志し、その志を達すれば欣然として死に就くことのできる人物」だったという。問題は、戦争遂行のためには「一機械」となって、部下の生命についても少しのためらいもなく捨てさせることができたという点だろう。こうした人物を英雄として崇めるか、無能な人間として否定するかは、評価する人の価値観によって正反対になると思う。原書を訳者に勧めたのが、ポーツマス条約を締結した小村寿太郎の弟子の幣原喜重郎だったのも、歴史の皮肉で面白い。2025/12/22
つわぶき
5
米国の従軍記者が見た乃木大将の姿を通して日本人の特質を、乃木大将の殉死に際して記そうとした本。その古武士然とした姿からは、責任観、熟慮果断、一士卒又は敵兵に至るまでの仁愛等々の将帥の徳を垣間見ることができる。原著者は、「将軍は、日本古来の理想主義の焰が、西洋文明との接触によって衰え来ったのを、あるいはこの殉死によって再び燃え立たしめることもできようと、胸中ひそかに思っていたかもしれぬ」としていたが、旧序文で幣原喜重郎は「近年本邦に於いて、妄りに外来の思想に惑溺する者ある」中「殊に興味深き作品」(続く)2025/08/17
jitchan
4
司馬遼太郎は『坂の上の雲』で乃木を「愚将」と決めつけ、それが乃木の評価として定着した。本書は日露戦争に従軍した米国記者が、じかにその目で見た乃木の姿を描いたもので、司馬が確立した定評とは全く異なる乃木の姿がここにはある。 「大きな仕事よりも、むしろ人格によって、その時世に非常な貢献をする人が、三十年に一度か、六十年に一度出現することがある」--本書冒頭の文章である。この言葉どおり、著者は乃木を、武士道を体現した高潔な人物として高く評価し、軍人としても優秀だったとしている。(コメント欄につづく)2013/09/18
N.Y.
2
読んだ本で引用されてたので読んでみた。現代語訳してあるとはいえ、なかなか難しい表現も多かったけど、人物像から書かれていて興味深く読めた。2015/09/18
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