出版社内容情報
【内容紹介】
ここに描かれたのは、乃木大将の伝記ではない。いわんや戦役史に資料を提供するものでもない。彼の大戦役の折、大将の身近にあり、大将をFather Nogiと呼んだ一米国従軍記者が、難攻不落といわれた二〇三高地を陥れ奉天戦へと転戦する乃木の孤影の中に、武士道精神と優雅な詩情とを併せもった名将の姿を見、自我を没却し、専心、理想の実現に邁進しようとした大将の生涯は、日本人の特質を具体化したものだと説く、香り高い名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイキ
5
「欧米の人々、恐らくは自殺誘発の精神には同情しがたいであらう。しかしこの偉大なる将軍の死を批判せんとせば、我々自らの標準をもつてせず、必ずまづ将軍の宗教と、その祖先の遺風との見地からせねばならぬ。見地かくのごとしとすれば、おのづから将軍の絶対無二の立脚地を認めなければならぬ。」〈かくのごとき人〉2017/09/04
jitchan
3
司馬遼太郎は『坂の上の雲』で乃木を「愚将」と決めつけ、それが乃木の評価として定着した。本書は日露戦争に従軍した米国記者が、じかにその目で見た乃木の姿を描いたもので、司馬が確立した定評とは全く異なる乃木の姿がここにはある。 「大きな仕事よりも、むしろ人格によって、その時世に非常な貢献をする人が、三十年に一度か、六十年に一度出現することがある」--本書冒頭の文章である。この言葉どおり、著者は乃木を、武士道を体現した高潔な人物として高く評価し、軍人としても優秀だったとしている。(コメント欄につづく)2013/09/18
N.Y.
2
読んだ本で引用されてたので読んでみた。現代語訳してあるとはいえ、なかなか難しい表現も多かったけど、人物像から書かれていて興味深く読めた。2015/09/18
晩鳥
2
戦下手だとか殉死が前時代的だとか非難されることもありますが、僕はその人格から乃木大将を尊敬しています。2015/06/24
双海(ふたみ)
2
乃木神社参拝。2012/11/08