出版社内容情報
【内容紹介】
応仁の乱に始まる戦国紛乱、群雄割拠の世。政権は織田信長から豊臣秀吉、そして徳川家康へと移ってゆく。徳川幕府の下で太平の夢を貪った日本は、黒船の来航によってその夢を破られる。攘夷か開国かで揺れるなか、歴史は天皇を中心とする明治維新へと大きく動いてゆく。著者は、その変革の思想的基盤をなした吉田松陰らの国学の系譜を明らかにし、さらに大東亜戦争にいたる近代日本の歩みを辿る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
43
織田信長から終戦まで。山鹿素行・山崎闇斎などの記述が多い。帝国憲法の記述で天皇は初めから専制君主ではなかったとした点や明治天皇の御製を載せているはよかったが、この巻でも正義と悪を安易に決めつけるような箇所があったのは残念だった。現在の教科書のように事実だけを羅列し、何の物語も紡ぎ出せない歴史よりは良いと思うが、好悪の感情だけで人物評価をしていては先般の米大統領選挙戦に関するSNSの投稿のように陰謀論に陥る可能性もあるのではないかと感じた。2021/05/29
チアモン
29
職場のボスのおすすめ本。上中下と読み終えました。流し読みになったところも多かったが、ラストまで読みきった自分に拍手!下巻は織田信長から。幕末に関しては結構楽しく読めた。よしっ!ボスに感想を言わなくちゃ・・・。なんて言おうかな?2017/06/12
白義
9
下巻において、明治維新に連なる思想史にも多大な分量を割き、皇国日本の歴史を大東亜戦争敗戦まで途切れることなく、精神の大河として描ききったところは思想の違いを超えて味読に値する。というか、分かりやすくも品位を損なわない文章で、いまだに日本通史としてこの本はトップクラスといっていいと思う。躍動感溢れるパトスで血肉を備えた叙事詩的歴史を描くことの魅力、そして同時に欠点をここから考えることもできる。著者の体現した問題は、過去の遺物ではなく今の今まで案外根を深く張っている2012/10/08
かに
8
戦国時代から太平洋戦争後まで。 3巻合計約700頁の中で、建国から戦後までを簡潔に要点をしっかりまとめてあるのはすごい。 日本人が今を生きる上で、西洋から合理的な考え方だけを取り入れても決して良くはならない。 歴史を知り、日本人に合った精神や考え方を学ぶことが今を生きるために必要なこと。 西洋で通じることが日本にそのまま通じるとは限らない。 西洋には西洋の日本には日本にあった精神があり、それをすっ飛ばして考えても物事はうまくいかないと思った。2022/09/29
seer78
7
子供にも読める「皇国史観」日本史。本巻は、織田信長から大東亜戦争まで。江戸時代の市井の学術の発展度が詳細に述べられている。山崎闇斎の儒教的皇室制度論(もし孔子や孟子が日本に攻めてきたら…という問題設定の巧妙さ!)や、水戸光圀の始めた大日本史という一大事業の話が面白い。契沖から本居宣長に至る国学の成立は今でも刺激的な思考水脈の流れの始まったところで、読んでいて胸がワクワクドキドキした。幕末の偉人よりも、孝明天皇や明治天皇に多く紙数が割かれてるのは珍しい。戦後史も振り返って欲しかったが、それは無い物ねだりか。2012/12/03
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