出版社内容情報
【内容紹介】
本書は、今日における名著のひとつに数えられてしかるべきものであろう。一般歴史における科学史の意義を明らかにし、科学史の中での「科学革命」の本質を解明した点で、この著書が果たした役割はきわめて大きい。人類史上、近代科学の誕生こそはすべての社会的・政治的変革にもまして「革命」的な重大事件であり、この「科学革命」こそは科学史的考察の原点であるという認識は主として本書に由来するのである。(訳者まえがきより)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
15
まず天文学を中心とする力学と、心臓と血液の関係にはじまる生物学における科学革命が(上巻において) 語られた。注目すべきは1543年。コペルニクス「天球の回転について」、ヴェサリウス「人体の構造」が発表された年だ。日本に鉄砲が伝来した年でもあるね。その後ベーコン、デカルトの方法論的意識革新が次の17世紀のエピステーメーをおおまかに規定した。機械論的思考の延長に原子論も可能であったが、それほど簡単に事は運ばない。古代以来の思考のクセを脱却するにはもう少し時間がかかる。アリストテレス以来の目的因的思考が桎梏だ。2020/08/06
うえ
2
間違いなく歴史学書。エピソードの間に挟まれた優れた洞察を見逃してはならない。・ニュートンが当時オカルトと考えられたのは,デカルトによって否定されていた真空という考えを持ち出したからとか。2014/02/25
ぽてと
0
クーンより先に科学革命という用語を使用したバターフィールドの重要な著書
HOG2
0
進化の概念の変遷について研究したいですね。また、近代人が古代人コンプレックスを抱いていた点が興味深かったです。いずれにせよ知識の羅列という印象を受けました。まあいっか。2011/05/10