出版社内容情報
【内容紹介】
本下巻は、上巻の神話や中巻の神意による初代天皇の誕生、支配権の拡張展開とは異なり、きわめて人の世の色彩が濃い。天皇の妻問いや皇位継承をめぐる反乱、皇子たちの殺害、有力氏族の抵抗・滅亡という波乱万丈の朝廷内部の様相や支配者としての天皇像が鮮明に描かれている。天皇の恋愛、皇后の嫉妬、争闘、謀略の物語はいずれも透明で明るく、素朴な古代人の美しい人間性が生き生きと溢れている。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
29
神の世から人の世へ。2023/12/11
かんちゃん
26
古事記も下巻になるとすっかり生臭くなる。神話というよりも、皇位を巡る争い、女と見れば節操なく娶ってしまう権力者の愛欲。こうしてみると、戦後の象徴天皇のなんと平穏なことよ。生前退位やら女性の皇位継承やらで揉める程度なら、まぁ良しとせねばなるまい。2016/11/17
おおとろ|ストーリーテラー
17
☆☆☆☆☆ 再読。長く物語と付き合ってきた人ほど、『古事記(下)全訳注』を読みながら、妙な感覚を覚えるはずだ。神々の奔放さはすでになく、英雄譚の熱も次第に落ち着き、語りは淡々と天皇たちの事績を積み重ねていく。物語は、いよいよ「終わり方」を探し始める。 ここで描かれるのは、派手な奇跡ではない。政治、統治、血縁、そして死。出来事は連なり、記録として整理されていく。読者としては、少し物足りなさを感じるかもしれない。だが、その物足りなさこそが、この巻の正体だ。2026/02/07
海
8
後半は、詳細が書かれていない方が多い印象だが、日本書紀で悪行三昧だった武烈天皇についての記録もあっさりしていて拍子抜け。名前を忘れたけど、部下の根臣の裏切りのせいで謀反の濡れ衣を着せられ、殺された異母弟が気の毒。推古天皇の治世が38年も続いていたとは知らなかったが、摂政の聖徳太子が国の基盤を整えてくれた功績が大きいと思う。2021/02/02
G .Mahler
7
仁賢天皇からは系譜記事だけになる。しかも享年や陵の場所が欠けていたりして整理が行き届いていない。これは、中巻の読後にも書いたが、やはり稗田阿礼の暗誦が怪しくなってきたからじゃないだろうか。訳者のあとがき(亡くなる直前に書かれたものか)の最後の2行にグッときた。このような堅い本を作るのにも人生をかけたドラマがあるのだ。講談社学術文庫という親しみやすい形で、三冊揃えて世に出してくれたおかげでどれほど多くの人が古事記を学び親しむことができただろう。おつかれさまでした。ありがとうございました。2025/08/17
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