出版社内容情報
【内容紹介】
論文が書けず、また研究のしかたも知らないという人が多い。本書はそうした人々に、そもそも論文を書くということは、物事を合理的に考えて、それを説得力ある言葉で表現することだ、という観点から、その方法を具体的な例を示しながら、わかりやすく説明している。本書によって読者は、どうすれば論文が書けるのかを学ぶとともに、論理的な物の考え方をも身につけることができよう。研究者や学生は勿論、一般の人々も必読の名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビィーン
27
佐藤優氏のおススメ本。紙のカードを使用した情報管理法を紹介しているが、それはもう古いかな。論理的思考法は懇切丁寧に書いてあり大いに参考となる。2018/11/08
おせきはん
10
論文の書き方だけでなく、話し方や聞き方、読み方、レトリックについても理路整然と書かれています。本書を貫く論理的な思考体系が特に参考になりました。2017/11/21
katoyann
9
学生は読んでおいた方が良い。初学者向けとはいえ、割と本格的な論文作成の手本なので、難しく感じる人もいるかもしれない。一年生だとハードル高いかな。 書き方だけでなく、文献の読み方と探し方を丁寧に説明しているので、よく出来ていると言える。2020/09/06
柳田
9
「論文の書き方」本は大量に出ており、どれも書く人の分野やスタイルによって全く内容が違う。本書はマニュアル的な側面に徹する、とあるが、まじめな歴史学の(大家の)先生らしい内容だと思う。たとえばフランス哲学の論文はこれを読んでも書けないだろうし。概念が混乱するから「封建制」とか「資本主義」みたいな言葉は使わないほうがいいんだとか、読んでいて安心したし、私はとてもいい本だと思った。が、カードの取り方とか詳細に説明して下さっているのだが、さすがに古くて、PCとかネット時代のこういう本がほしいが、あるのだろうか。2018/05/21
anarchy_in_oita
6
なるほど、僕のレポートがいつもまとまりが悪いのは、問題の場を1つの命題に絞り込む作業が不十分だからか。これまで読んできた論文の書き方系の本よりも実用的で、何度も参照することになりそうだ。もう少し早く出会っておきたかった…また、話し方や読み方まで論じているのは大変野心的だと思った。作者は論文を書くことをより大きな視点で、知的作業の1つとして位置付けようとしているのだろう。レトリックに対して好意的なの点が先日読んだ「レトリック感覚」と重なるところがあり興味深い。一体誰が修辞嫌いの流れを生み出しているのだろう。2020/03/06