今度こそわかるシリーズ<br> 今度こそわかるファインマン経路積分

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今度こそわかるシリーズ
今度こそわかるファインマン経路積分

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  • サイズ A5判/ページ数 225p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784061566019
  • NDC分類 421.3
  • Cコード C3342

出版社内容情報

理論・応用の両方で役立つファインマン経路積分を、物理的意味を重視して解説。今までの本ではわからなかった読者の再入門に最適の書天才ファインマンが作り上げた「経路積分」により、量子論は飛躍的に進展した。この画期的手法を、物理的意味を重視してやさしく解説する。従来のどの本を読んでもわからなかった読者の再入門に最適の書。

〈本書「序文」より〉
量子力学の基本方程式は通常、シュレーディンガー方程式という微分方程式であるとされる。経路積分は、それを積分方程式として書き直したものである。通常の量子力学では古典力学から出発し、それを量子化するという数学的手順でシュレーディンガー方程式を得る。そして本によってはそれから、経路積分の式を導く。教育的見地からは最終的に量子力学を理解できればいいのだから、基本方程式の導入の手順がどうであっても悪いわけではない。しかし自然法則の中での地位から考えれば、先に量子力学があり、古典力学はその近似理論として導かれるべきものである。だとすれば、量子力学(あるいは場の量子論)はどこからもってくればいいだろうか。それを、2スリット実験の分析から想像される量子力学的粒子像を出発点にしようというのが、本書第1章の話である。そのような議論をすると、シュレーディンガー方程式より先に経路積分の発想が自然に出てくる。

■第I部 経路積分の基礎■
第1章 2スリット実験から量子力学的粒子像へ
 電子のイメージ/ビー玉を転がす/ヤングの実験/干渉/ほか
第2章 経路積分の簡単な例:1次元の自由粒子
 時間発展を表す積分核/具体例/局在した状態:静止しているケース/局在した状態:等速で動くケース/ほか
第3章 一般的な経路積分:力が働いている場合
 自由粒子の経路積分再考/力の効果を取り入れる/経路積分とシュレーディンガー方程式/量子力学での自由落下/ほか
第4章 他の形の経路積分:正準形式・運動量表示・コヒーレント表示
 ラグランジアンとハミルトニアン/ハミルトニアンで表現する経路積分/シュレーディンガー方程式からの導出/演算子順序/ほか
第5章 エネルギー固有状態:連続スペクトルの例
 エネルギー固有状態と積分核/自由粒子の場合/ポテンシャルが1次式の場合/積分核からエネルギー固有状態を求める/ほか
第6章 井戸型ポテンシャル:離散スペクトルの場合
 無限に高い壁/エネルギー固有状態/井戸型ポテンシャル/量子化条件:井戸型ポテンシャル/ほか
第7章 調和振動子
 調和振動子/ΔSのガウス積分/波束の振る舞い/エネルギー固有状態:基底状態とエネルギー準位/励起状態の波動関数:積分核の展開による方法/ほか
■第II部 発展的話題■
第8章 クーロン・ポテンシャル
 問題の置き換え/新しい変数の導入/エネルギー準位/波動関数:基底状態/ほか
第9章 トンネル効果
 x = 0に不連続性がある場合の波動関数/束縛状態/トンネル効果/共鳴状態と崩壊/ほか
第10章 デコヒーレンスと散逸:ファインマン‐バーモンの影響汎関数
 多自由度の経路積分/対象物と環境/カルデイラ‐レゲットのモデル/影響汎関数の計算/ほか
第11章 場の経路積分
 場の量子論とは/古典場としての波動関数/場の経路積分/エネルギー固有状態/ほか
第12章 宇宙波動関数と虚数時間
 一般相対論と膨張宇宙/フリードマン宇宙のバリエーション/宇宙項/量子宇宙論/ほか


和田 純夫[ワダ スミオ]
著・文・その他

内容説明

「経路」を「積分」するとはどういうことか?量子論に大転換を起こした驚異の方法を解説。初学者がつまずくところを熟知した著者による丁寧な解説。

目次

第1部 経路積分の基礎(2スリット実験から量子力学的粒子像へ;経路積分の簡単な例:1次元の自由粒子;一般的な経路積分:力が働いている場合;他の型の経路積分:正準形式・運動量表示・コヒーレント表示;エネルギー固有状態:連続スペクトルの例;井戸型ポテンシャル:離散スペクトルの場合;調和振動子)
第2部 発展的話題(クーロン・ポテンシャル;トンネル効果;デコヒーレンスと散逸:ファインマン‐バーモンの影響汎関数;場の経路積分;宇宙波動関数と虚数時間)

著者等紹介

和田純夫[ワダスミオ]
1943年生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。理学博士。文部省研究奨励員、ケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所研究員、ボローニャ大学国立原子物理学研究所研究員を経て、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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