内容説明
最近、拡散テンソル映像法(diffusion tensor imaging、DTI)と呼ばれる新しいMRI技術が開発され、白質線維束構造を高解像度(1~3mmスケール)で可視化できるようになった。本アトラスでは、このDTI技術を使って構築されたヒト脳の白質線維構造を紹介する。本書の1つの目的は、脳白質繊維構造の理解である。3次元の視覚化で全体像の把握、そして2次元の映像化で位置情報の正確な理解を目指した。もう1つの目的は、カラーマップと呼ばれる2次元の線維構造表示技術を用いて、白質構造の表示、同定を行うことにある。カラーマップは、従来のMRIでは得ることができない白質の病理所見を得ることができ、近い将来、臨床の場面で重要な診断道具となる可能性がある。しかしながら、多くの放射線科医にとってカラーマップは未だに目新しい手法であり、それを読むことができるようになるにはトレーニングが必要である。本書では、カラーマップが多くの断面方向と位置で示されている。本書が、MRIに携わる人たちにとって、DTI画像を読むためのガイダンスとなることを目指した。
目次
第1章 イントロダクション(核磁気共鳴画像法;拡散テンソル映像法)
第2章 方法(データ収集;データ処理;3次元構築;灰白質構造の3次元構築;表示方法)
第3章 脳白質線維の3次元アトラス(脳幹の繊維;投射線維;連合繊維;交連繊維;繊維構造の概観)
第4章 脳白質線維の2次元アトラス(軸面(axial)
冠状面(coronal)
矢状面(sagittal))
著者等紹介
森進[モリススム]
医学博士。1996年Johns Hopkins大学大学院医学研究科(生物物理専攻)修了。Johns Hopkins大学医学部放射線科教授。所属学会―International Society of Magnetic Resonance in Medicine(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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