内容説明
「ブッシュ外交」への感情論、アメリカ「帝国」論議を超える外交・国際問題を学ぶための最良の教科書。
目次
第1章 アメリカ外交を見る眼
第2章 建国から大国へ
第3章 二つの世界大戦―内向的な大国
第4章 冷戦の起源と本格化―超大国の自覚化
第5章 冷戦の変容―ベトナム戦争とデタント、多極化
第6章 新冷戦から冷戦の終焉へ―カーターとレーガン
第7章 ポスト冷戦期―G.H.ブッシュとクリントン
第8章 九・一一からイラク戦争へ―G.W.ブッシュ外交
終章 これからのアメリカ外交と日本
著者等紹介
村田晃嗣[ムラタコウジ]
1964年神戸市生まれ。同志社大学法学部卒業、米国ジョージ・ワシントン大学留学後、神戸大学大学院法学研究科博士課程(国際関係論)修了。博士(政治学)。同志社大学法学部助教授。専攻は国際関係論、特にアメリカ外交・安全保障政策。著書に『大統領の挫折―カーター政権の在韓米軍撤退政策』(有斐閣、アメリカ学会清水博賞、サントリー学芸賞)、共著に『戦後日本外交史』(有斐閣アルマ、吉田茂賞)など
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
30
アメリカ外交が混乱しつつある時に、概要を掴みたくて読んだ。イラク戦争登場に書かれたものであるので多少古い(著者のイラク戦争を巡る見解等)が、アメリカ建国から、ブッシュジュニアまでの外交(当然世界の外交を見渡す上でも有益)を網羅している。余談(リンカーンとケネディ暗殺の偶然は面白い!大統領の個人的な顔も解説あり!)や映画も絡めているので、ただ硬い本でもないので良い。2025/05/27
James Hayashi
25
アメリカの外交に平和などない。反共か武力闘争、覇権保守。日清戦争時、すでにアジア各国のアドバイザーとして暗躍したアメリカ。そういう部分を探していたが、教科書的なアメリカの歴代大統領の功績のような内容。2020/04/05
James Hayashi
21
積読であったが、最近見始めた「そこまで言って委員会」に出演している著者に興味を持ち読み始めた。かなり簡潔に書かれたアメリカ外交史で読みやすいが、一般人には必要としない知識を扱っているので外交史ビギナーの教科書的。政権を取った大統領により、政治と外交が変わるのが見て取れる。米恋大統領を中心とした外交史だが、大統領とブレインたちの思惑が感じ取れる。2016/07/06
高橋 橘苑
20
日本人の多くがアメリカを、その関わりの最初から大国として存在したと、イメージしているのではないだろうか。ペリー提督の黒船に、無理やり開国させられたという、ある種の幻想的被害者意識が、今もなお底辺にたゆたうとしている気がしてならない。本書は俗な陰謀論とは無縁な、正面からアメリカ外交を見据えた良書である。アメリカ外交には、副題にある苦悩と希望が交錯する。アメリカには建国以来、旧世界とは異なるアイデンティティーがある。この自己イメージがアメリカ外交を強く規定してきた。その苦悩と希望は、まだ続いているかのようだ。2015/05/26
かろりめいと
6
2005年2月刊。当時は子ブッシュ政権2期目。アメリカ側から見たアメリカ外交史。国際政治学の視点をベースにして、米外交の4つの歴史潮流(ハミルトニアン・ジェファソニアン・ウイルソニアン・ジャクソニアン:)で建国からイラク戦争までを読み解く。先日読んだ岩波新書の方は、非アメリカ人から見たアメリカ外交論のような気がした。面白かった。2020/12/07