内容説明
草城、子規、漱石から楸邨、ちづこまでこれがエロティシズム俳句だ。
目次
第1章 『艶色句選』から日野草城へ
第2章 女人への憧憬
第3章 女体のエロティシズム
第4章 エロティシズムを演出する小道具
第5章 季語とエロティシズム
第6章 メタファーのエロティシズム
著者等紹介
復本一郎[フクモトイチロウ]
1943年、愛媛県宇和島市に生まれる。1972年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。静岡大学人文学部教授を経て、神奈川大学経営学部教授。文学博士。俳号、鬼ヶ城。実験的俳句集団「鬼」代表。「ユーキャン俳句倶楽部」編集顧問
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感想・レビュー
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内藤銀ねず
2
【古池や蛙とびこむ水の音】からどうやってエロ? と思って読みましたが。その手があったか!というよりも著者の着眼点に脱帽。詩作品における身体表現の系譜は、しっかり俳句にも流れていたのですね。体温や匂いを、読者の体験へ訴えて感じさせる手法とは、さていかに。
よねちゃん
2
花鳥風月を詠う一般の俳句とは違う「エロティシズム俳句」。微妙なエロさは日本の俳句だけが表現しうるものではないでしょうか。一般の俳句がつまらないと思う方はこの本を読んでみては。2010/07/24
こんがら童子
2
筆者の好むエロティシズム、すなわち「あえかなる(か弱く、繊細な)エロティシズム」は単なるエロでもないエロティシズムでもない。 男想い 股間滑る 女の手 オルガズム 女の叫ぶ 他人の名 これはエロ。 春の灯の照るや鏡の立膝に これはたゞのエロティシズム。 「あえかなるエロティシズム」の句というのは 春の夜や足のぞかせて横座り 春泥に刎泥(はね)を上げたる素足かな 牝獣(ひんじう)となりて女史哭(な)く牡丹の夜 そして極めつけが著者も最も好むという 谷に鯉もみ合う夜の観喜かな 2010/05/30
haruka
1
春一郎もっと読みたい。