内容説明
「足が速くなるマシン」をつくったスポーツ科学の革命児が、まったく新しい切り口で運動神経の本質とその鍛え方に迫る野心作。
目次
第1章 「運動神経がいい」とはどういうことか(「運動神経」を良くすることは可能か?;意識と無意識の運動支配;運動神経機構)
第2章 運動神経をどう鍛えるか(体幹を感じる;神経支配の「しばり」を解く;運動の基本;認知動作型トレーニング)
第3章 速く走るためには?(なぜ短距離走で日本人選手が躍進してきたか;スプリントトレーニングマシン;走りの科学;歩くことから運動神経を鍛える)
第4章 生きる力としての運動神経(子どもの運動神経の実態;失われた運動神経を取り戻す)
著者等紹介
小林寛道[コバヤシカンドウ]
1943年生まれ。東京大学教育学部卒。同大学院教育学研究科修士課程修了。教育学博士。現在、東京大学教授。日本陸上競技連盟医科学委員会委員長、日本体育学会理事長などを歴任
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
12
足を速くする、を題材に運動神経というものの基本的な考え方と筋肉の動かし方の初歩を手ほどきしてくれる一冊。実際に読者が取り入れられる訓練はあまりなく、著者が考案した数々のフォーム矯正マシンが次々と出てくるのが特徴的。それを活用したら多くのランナーや選手が自己ベストを更新し、運動ができない子もあっさり速くなれたそうだが、そのマシーンが市販されてないとこっちは使えないのである。しかし、運動神経とは単純な筋力ではなく、その使い方、動かし方の方だとする着眼点や体幹筋や大腰筋への着目など理論的には当然しっかりしている2020/12/09
どんぐり
9
おもしろかった。なんだか、早く走れるようになった気がする。 武井壮さんの動画『オトナの育て方』でも言っていた。 普段は意識されずにあった身体内部の器官や機能を、あえて意識化し、意識的な働きかけをすることで、適切な運動が可能となっていく。近くのスーパーまで歩くなど、日常のちょっとした運動も意識化するだけで、もはやスポーツ。イメージって大事だなあ。 小学生の時点で、この考えに たどり着いた武井壮さんの賢さには、脱帽だ。 ちなみに、本書に武井壮さんの名が出ることはありません。2020/08/09
リッチー。
3
スポーツでの動作の合理性や習熟の重要性を運動学者が解説。取り上げているスポーツはランや競歩など日常生活で馴染みのあるものばかりなので示唆は多い。著者作成のトレーニングマシンの使い方に紙幅を割き過ぎの感があるけれど、学校などで普及してるのかなぁ?2015/04/25
さばとら
2
確かにエアロバイクでは足は早くなりそうにない。楕円運動ですか。そんなに効果があるならなぜ商品化されてジムに並んでないのだろう?なんて言っていると、スポーツ指導者との対立と同じになってしまうが、その辺の考察もしていて、感覚を共有する事が難しい事が対立の要因。一度体感してみたい。2014/10/31
ほんのみちを
1
人は慣れ親しんだものからの呪縛を逃れることは難しい。 それは身体操作の上でも同じことだ。 たとえば走ること。 慣れ親しんだ走り方を変えることは難しいし、それなりに結果を残していたのなら尚更だ。 それなのに、本書では著者自らが独自のトレーニングマシンを作り出し、陸上選手に試してもらったところ、あっという間に自己ベストを更新させてしまったというエピソードが語られる。 それは、効率の良い走り方に矯正できたからだ。 キーワードは、体幹深部筋、骨盤、肩甲骨、脊柱の連動。 そして、やはり大腰筋。2020/05/02