内容説明
弱肉強食の米国流よ、さらば!これが、市場の暴走を許さず、福祉を重視する西欧スタイルだ。
目次
序章 テロ事件と市場原理主義
第1章 強まるヨーロッパの対米批判(基本的な社会観;経済政策と制度のあり方 ほか)
第2章 福祉を重視する経済大国づくりの戦略(「社会的な」ヨーロッパづくり宣言;モネ構想からローマ条約へ ほか)
第3章 自己変革に取り組むイギリス(没落の五要因;没落の実例 ほか)
第4章 今後の米欧対立と日本(テロ事件後の米欧関係の変容;テロ事件以降の経済安定志向 ほか)
著者等紹介
福島清彦[フクシマキヨヒコ]
1944年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。国際経済論専攻。野村総合研究所ワシントン事務所所長、同ヨーロッパ社長を歴任。現在は野村総研主席エコノミスト。高橋亀吉賞及び大来佐武郎賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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まぁいっか
12
デンマークの行き届いた生活には羨望を感じた。授業料がタダな上にお小遣いまでもらえるなんて!その代り自由はないのかもしれないけれど。アメリカと欧米の対比に加えて日本の政治経済についても掘り下げて書いてあればよかったかなぁと思った。素人からすればなんとなく理解できたような気になったので星3つ。2014/04/15
Ryo
8
ある人に勧められて購入。17年前の本。対米追従に慣れきった自分には、資本主義に型があるなんて考えた事も無かった。日本の本格的没落は、2000年前後から始まり、2015年辺りで決定的になった様に思う。この先20年もすれば、G7から排除されるか、居ても何の発言権もないのが関の山だろう。こんな日本を作った理由に、アメリカによる会計制度の押し付けがあったとずっと思っていた。それが日本企業から長期的視点を持った経営を失わせ、近視眼的な拝金主義に走る様になった。この決定的分岐に、欧州型資本主義は疑問を呈していた。2019/03/10
おらひらお
4
2002年初版。アメリカ市場原理主義と対峙するヨーロッパ型資本主義を紹介した本ですが、10年後の今日から見ると、問題も多く含んでいることがわかります。日本はどこに進むのでしょうか。文章はなかなか読みやすく入門書としては丁度よいかもです。2012/11/26
BookaBoo
2
著者の視点から、ヨーロッパが目指してきた経済、社会のありかたについて。イギリスって、ヨーロッパの中では、アメリカタイプ(アングロサクソン型)なんだね。にしてもイギリス滞在で何か忘れられない嫌なことがあったのかな、と思うような表現がちょっと気になった。まあ兼ねがね思うけど駐在では、その国の実情はわからない。主張は一貫しているもののなんかすっきり理解できないものが残った。2022/08/04
Shoko Chiba
2
福祉を重視し富の再分配を行うヨーロッパと小さな国家を標榜し原理的な資本主義を貫くアメリカ。2011年頃までの情報のため、読み始めてから暫くは2017年現在特に読む価値もないかなと少し後悔モードだったが、BREXIT、アメリカにおける所得格差問題という現状に照らして読んでみると、混乱の予兆はあったのだと納得でき、違った面白さが。特にヨーロッパと一言で言っても各国には独自の色があり、一括りにできないという指摘には完全同意。この違いこそがEU運営の難しさなのだ。2017/04/18
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