内容説明
進化論はいま、人の心や行動、「文化」の謎にまで迫りつつある。科学と人間をつなぐ思想として読み直す。
目次
第1章 進化論の二〇世紀(進化理論の誕生と完成;現代進化理論の四つの転換点 ほか)
第2章 人の心の進化論
第3章 生命を情報としてとらえる(生命と情報の交錯;知のユーロとしての情報 ほか)
第4章 ハンバーグのつなぎと進化論
第5章 科学と物語と進化論(ミミズでつながる科学者たち;科学の物語とその暴走 ほか)
著者等紹介
佐倉統[サクラオサム]
1960年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院情報学環助教授。進化生物学を基点に、生物学史、科学技術と社会の関係を研究
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感想・レビュー
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またの名
12
「我が内なる欲情」を論じることに嫌悪しつつ男性が最も魅力的に感じる女性のウェストとヒップの比率を調査した研究の正当性を著者が擁護するのも、手法の妥当性に加え進化論の幅広い応用への期待が理由。ダーウィン本人は知り得ないけど自然淘汰説はアルゴリズム的で対象になる素材に関係なく適用できるので、言語でも法律でも音楽でも系統を作るなら何でも進化論で扱えるとドデカいスケールの物語に展開。無味乾燥でない科学の物語化を打ち出すもやはり注意してるのは、社会の中でイデオロギーと結び付く瞬間。イデオロギーは事実すら否認させる。2018/03/16
Haruka Fukuhara
6
ちょっと難しかった。進化論という考え方のいろいろな分野への応用やその是非に興味があったけど、この本はそういう話じゃなかった。2017/03/26
A
4
マルクス主義などの人文社会科学の一般理論が破綻し、進化生物学や生命科学などの自然科学の影響力が増してきている現代において、価値や倫理を考える際は、それら自然科学の成果を踏まえる必要がある、という自然主義の立場に著者は立つ。けど、自分は価値や倫理を進化論的・生物学的に説明する自然主義にはどこか抵抗感を感じる。それは自然主義が人類を破滅に導いてきたという歴史的な理由によるのかもしれないし、人間を文化的な動物だと思いたいからかもしれない。けど一方で、人間を他の動物と地続きの存在だと捉えると、2016/03/25
soto
4
もうすこし進化論の考え方の基本がしっかり書かれていることを期待していたが、どちらかというと進化論の広がりや可能性について述べられていた。巻末のブックガイドは役に立ちそうだ。進化論にはさまざまな可能性があるようだが、もう少し具体的な各論が気になるところだった。2010/08/13
ステビア
3
ちょいと欲張り過ぎかもな。はじめの1冊として。2013/11/14
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- 和書
- 正史忠臣蔵 中公文庫