内容説明
社会を矛盾と対立のるつぼととらえ、そのむこうに統一と秩序を見通した哲学者。壮大で華麗な思考の躍動を平易な日本語で説きつくす。
目次
第1章 ヘーゲルはむずかしいか?―弁証法入門
第2章 『精神現象学』―魂の遍歴
第3章 世界の全体像―論理・自然・精神
第4章 人類の叡知―芸術と宗教と学問と
第5章 近代とはどういう時代か―日本と西洋
第6章 ヘーゲル以後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
17
これもヘーゲルの分かりやすい解説書。西洋と日本の間に横たわる哲学の異物感を解説し、楽しみ、ヘーゲルを分かりやすくするという1冊で、目標はかなり成功していると思う。ヘーゲルの好きな作品や西洋風の思考、日本との差を分かりやすく解説しながら一歩一歩進めていくので理解が進みやすい。西洋哲学の土台理解にも便利。長谷川宏氏はもっと早めに取り組むべきだった。2023/07/23
はら
15
ドイツ観念論を代表する哲学者ヘーゲル。彼の思想は後のマルクス、キルケゴールらに大きな影響を与えた。この新書一冊を読んだだけで、ヘーゲルに対してどうこう言うのはどうかとは思うけれども、率直に言うとヘーゲルの考え方は自分には合わなかった。理由は2つほどある。1つ目は、理性への盲目的といってもいい程の信頼、世界の隅々まで理性の光が及ぶとする理性的世界観。これはもはや神を盲目的に信じるのと変わらず、理性という絶対神を信仰しているようにしか見えない。2つ目は、(コメントへ)→ 2018/08/04
かんがく
13
ヘーゲルの思想と西洋近代とは何かを主著をもとに解説している。後の思想家たちによる批判対象としてのイメージが強いが、それだけ近代に対する影響が大きいのだと実感した。2021/09/28
荒野の狼
12
ヘーゲルの流れを汲むマルクス・エンゲルスの著書をいくつか読んでいると何度となくヘーゲルに触れられているのでヘーゲルをざっと理解する本を探していきあたった作品。私は以前に、ヘーゲルの入門書として現代書館発行の「For beginnersシリーズ ヘーゲル」を読んだが、こちらはヘーゲルの生い立ち、ヘーゲルの膨大な思想の項目ごとの要約、ヘーゲル前後の思想の歴史などが、うまくまとめられている。この本を読むと、ヘーゲルの守備範囲はあまりにも広くとらえどころがないという印象となる。2017/08/20
Ex libris 毒餃子
11
これはヘーゲルを読んでみたくなる。たぶん、挫折するけども。2024/01/27
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