内容説明
打ち破れない悩みの壁。はてしなく深い落ち込みの奈落―。「ねばならぬ」の思い込み(ビリーフ)が自分自身を呪縛する。ビリーフを探り出すこと、そして合理性の定規を当てること。陥穽の非合理性に気づくことがブレイク・スルーのはじまり。解放のための「自己発見」のすすめ。
目次
第1章 人生哲学
第2章 社会生活におけるビリーフ
第3章 学習生活におけるビリーフ
第4章 家庭生活におけるビリーフ
第5章 職業生活におけるビリーフ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ATS
16
★★★いろいろ学びになる良書だった。物事を考えていく際の3つのポイントが挙げられており(①自分の考え方を支える事実はあるか②自分の考え方を支えるだけの論理性はあるか③ある考え方に固執しているためにかえって自分を不幸にしていないか)、それらは今後物事の是非を考えていくうえで有用だと思った。またビリーフを変えるだけといった自己啓発的なだけでなく、可能な限りでそこからの行動により出来事を変えていくことの重要性に触れていることも見逃せない。ついついたんなる自己啓発にとらえてしまうと非常にもったいない。2018/10/20
みんと
12
人生を幸福な気持ちで過ごすには、ビリーフ(心のなかの文章記述)を書き換えることも大切。 ~ねばならない、~べきであるという呪縛に縛られたままでは、理想からかけ離れた現状の中で不幸な気持ちになる。 生への意欲を高めるために目標を持つことは良いことであるが、無我夢中過ぎて、それまでの人生が記憶に残らず気がつけば空しさだけだったということの無いよう、何が正しいかを臨機応変に見極めていける能力も身につけたい。2012/01/26
hakootoko
9
要約:事実→思考→感情→行動。事実は変えがたいが思考は変えられる。論理的思考は大事です。悩みが湧いたときは、胸に手を添え、それは事実に基づいた考えか、論理的に正しいか、考えなさいな。まあ、違ってるよね。だから、悩んでるだよ、君。2015/04/05
柊 ユウ
7
ビリーフ(受け取り方)次第で悩みは消える。そのために、自問自答をし根拠を挙げることや実際体験を重ねることでイラショナル(irrational)な部分を発見する。魔法の呪文は「~すべき」「~ならぬ」ではなく『~にこしたことはない』である。著者の干された話やら全く教えることに向いていなかったことも書かれており、著者自身が本の中で自己開示している点がよかった。2012/11/17
izumiumi
7
論理療法、認知療法の創始者であるアルバート・エリスを「私なりに理解して応用した経験をもとに」書かれたという、一般向け実践的本。 現象学の立場・個人主義・功利主義的・プラクティカルな療法……というような当時の英米系思想がその根底にあるが、ただのアメリカかぶれでなく、臨床家でもある著者によって日本用一般用に咀嚼されておりわかりやすい。きっと、読んで助かる人の多い良書と思われる/1990年執筆だということに驚くほど、今も通用する/タイトルと目次がつくりとしてよくないので、人に勧めづらいのが難点。2011/04/25