内容説明
シナリオを書き、役者を使って盛りあげるヤラセ。事前に“ニュース”を作っておく仕掛け。合成した写真や出所・撮影者不明の写真が一人歩きをはじめ、“歴史的事実”になったこともある。映像は、真実を伝えるとは限らない。コンピュータ・グラフィックスやレスポンスの登場で、意図どおりのものを作れるようになった。プロパガンダからFFE戦争まで、映像が内抱する問題を事例とともに解説する。
目次
1枚の写真から
ウソ報道写真
一人歩きする写真
映像のカラクリ
映像は証拠になりうるか
映像ジャーナリズムの裏側
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
23
1986年発行とは思えないほど現在でも通じる内容には驚いた。著者は共同通信のニュース・カメラマンだが戦前の合成写真や画像編集のことも調べており、昔から印象操作のために画像を捏造することはあったと指摘している。そうした画像は誰がリークし、狙いは何かを考察する大切さ、マスメディアやジャーナリストは当時から既に社会的に弱い立場や苦境に立たされた方を厳しく報道するものだと書いていることも興味深かった。ショッキングな写真も載っているがどんなふうに加工したのかも解説しているのであっという間に読んでしまった。2025/07/06
しんこい
3
映像のもつ説得力とうらはらの危険さを実例を見せながら説明するので分かりやすいです。それに事件の現場に居合わせたカメラマンの心境について言及しているのも良いところ。古い本なので、デジカメもなく、ソニーのマビカとか出てきます。2012/02/28
naniwoyomu
0
おすすめ。 #やらせ #メディアリテラシー #興味深い
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- 和書
- 無花果とムーン 角川文庫