出版社内容情報
『モモちゃんとアカネちゃんの本』の最終巻小学1年生になるアカネちゃんの小さな胸は、だれにもいえないさみしさや悲しさでいっぱいになるときがある。それでも、明るく成長するアカネちゃんとモモちゃん 小学初級から
内容説明
明るいアカネちゃんも、別れてくらすパパのことを思ったり、核実験の話を聞くと、なみだがとまらなくなってしまいます。あんなに元気のいいモモちゃんだって、パパがいなくなったときには、なきつづけて、なみだの海ができました。モモちゃんもアカネちゃんも、いっぱいないたあとは、明るく大きく成長しました。成長していくアカネちゃんに、元気づけられる「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズの最終巻です。第30回野間児童文芸賞受賞。小学校初級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
39
あとがきを読んで30年かかって書かれた事が分かり、絵を担当してる方が代わったのも分かる気がしました。 1作目を読んだ時は、癒し系と思ってましたが、離婚する頃から暗い話題が増えてきたのでビックリしました。 オッサンが読んでもオモロかったです。大人の事情は子供には伝わりにくいかも知れませんが、逆に子供にしか共感出来ない部分も有ると思います。なので、大人が読んでも子供が読んでも楽しめるんでしょうね。小学生ぐらいのお子さんをお持ちの方にオススメします。2011/10/25
朝比奈さん
12
最終巻。パパの逝去。モモちゃんがすっかりお姉ちゃん。でもモモちゃんが泣いてもクジラさんは来ないんだね。 そしてなにより、あとがきが、ずしっときます。2014/11/02
しげ
7
モモちゃんとアカネちゃんシリーズの最終巻。モモちゃんは中学生に、アカネちゃんは小学二年生になっていました。カクジッケンでオオヤケドをした地球さんが、アカネちゃんの流したなみだの海で傷を癒していく話がとても心に残りました。地球さんのオオヤケドは「地球さんのヤケドをしんぱいしてながしてくれたなみだが、いちばんきく」のだそうです。2012/09/27
miya
5
子どもの頃大好きだったモモちゃんとアカネちゃんシリーズ子どもの頃は父親がいない物語になんの不思議も感じなかった。読み返してみるとそういう設定かとびっくり。でも、あぁなるほどと。大らかさとシンとしたさみしさを内包した優しい物語の根っこが少しわかる気がした。たぶん、これを読むのは二回目。読後に、パパの死に刺激されて、今、自分が病気になって死んだら。。。子ども達との時間が絶たれることを想像して泣けた。30年かけて離婚や死をネガティブではなく、成長と重ねた変化として、等身大に書き切った作者の誠実さを感じる。2013/06/19
みのにゃー
4
大好きないせひでこさんの挿絵。このシリーズは松谷さんの自伝(後書きより)。パパのことについてもお子さんが傷つかないように気を使って描いておられる。先日、朝日新聞に「日本の絵本には働くママが描かれていない」とあったが『モモちゃんとアカネちゃん』のシリーズを知らないんだろうなと思った。働くママや離婚についてトップランナーとして走り続けた松谷さんの存在は大きい。2017/08/09