内容説明
秤屋の小僧、仙吉のひそかな願いをかなえてくれたのは、見ず知らずの一人の客だった―。小僧と客との心理をあざやかに浮きぼりにした表題作ほか、「或る朝」「清兵衛と瓢箪」「網走まで」「城の崎にて」など、計14編を収録。対象をとらえる鋭い目と簡潔な文で、のちの文学史に大きな影響を与えた志賀直哉の短編集。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三丁目の書生
2
読みやすい短編小説中心の編集なので、小学生にも大人にとっても志賀文学入門書として素晴らしいと思います。 巻末解説は児童文学者の藤田のぼるさんが書かれています。わずか6ページですが内容が凝縮されていて素晴らしい解説だと思います。 挿絵がユーモラスで味があるタッチです。井上正治という方が描いています。検索すると同姓同名の漫画家の方が出てきますが、本書の挿絵の方はあまり出てきません。 https://diletanto.hateblo.jp/entry/2025/05/31/1749182025/06/16
ポイント2倍
0
お寿司、一緒に食べれば良かったのに。2016/02/09
Tonex
0
「小学上級」からと書いてあるが、小学生には難しいと思う。2013/06/23
May
0
小僧に寿司をご馳走し、親切にした貴族議員のA。 しかし、喜ばせたにもかかわらず変に淋しい、いやな気持になる。 その優しさは本当に小僧のためになったのだろうか。 変に甘やかしてはいなかっただろうか。本当は、小僧が自分でお金を貯めて寿司を食べた方がもっと違ったものになったのではないか。 そして、作中において今まで読んだ小説ではありえないような衝撃のラストを飾る。 なんと、最後に作者が出てきて筆を置くことにすると締めくくったのだ。これが小説の神様といわれる由縁か……( ゚д゚)2018/09/27
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